酒蔵直送のレアな日本酒を扱うことで人気の『地酒蔵大阪』。難波の本店に続き、2021年2月8日に2号店となる千日前店がオープンした。本店の日本酒にかける思いを受け継ぎつつ、千日前店ならではのこだわりについて、店長の高野伸一氏に話を伺った。
イチから日本酒を学び、一杯の日本酒がきっかけでハマる。
大手居酒屋チェーンで「炭師」として勤務し、同社に転職した高野氏。前職ではお客様と接する機会がなかった職種から、経験のない接客や日本酒の提案に戸惑ったという。当時はビールやハイボールばかりで、日本酒はほとんど飲んだことがなく、お客様に「〇〇県の日本酒はある?」とか「こういう飲み口の日本酒がほしい」とか言われてもわからなかったのだとか。しかしあまり市場に出回らない福島県のレアな日本酒を飲んでハマってしまったという高野氏。「僕はフルーティで飲みやすい酒が好きで、その一杯で日本酒にハマりました。飲み始めるといろんな味が気になるようになって、一つひとつの味の違いが本当に細やかでおもしろいなと思いました」。
日本酒が好きになり過ぎて、今回の2号店を任されるまでになったのだとか。実はこの千日前店は、同社2号店という位置づけではあるものの、一から作り上げた最初の店舗なのだという。「今までも一から作ったお店はありましたが、うまくいかなくて。今回の店舗は当社が初めて一から立ち上げて作ったお店で、会社的には“1号店”という感じです」。
お客様の「一番美味しい一杯」を見つける喜び。
レアな日本酒が売りとは言っても、「十四代」や「花邑」などの有名どころも抜かりなく用意している。レアな酒だけでは、どうしても敷居が高くなる。玄人好みの店ではなく、誰もが気軽に日本酒が楽しめる店を心がけているという。「名の通った日本酒が飲みたい人もいれば、あまり見かけないレアな日本酒が飲みたい人もいます。入口は広くして、いろんな味の日本酒をそろえています」。メニューにはない“隠し酒”もあるのだとか。「日本酒はお客様とコミュニケーションを取りながら好みの味に近づけていくのが楽しみのひとつでもあります。時には『これちゃうわ』みたいなこともありますが、何杯か飲むうちに『これが一番!』という一杯を見つけていただくのが醍醐味なんです」。
フードは、簡単なアテやお酒に合う料理を提供。中でも「貝出汁おでん(5種盛り合わせ760円)」は人気が高く、すでに調理されているおでんを、さらにもう一工程加えることでコクのある一品に仕上げている。その他にも中央卸売市場から直送の新鮮な海鮮などリーズナブルなフードがそろっている。「美味しい日本酒と料理にこだわり、さらにちょっとした気遣いをプラスするよう心がけています。お猪口で試飲してもらって気に入ったものをご注文いただいたり、お一人のお客様にアテになる一品をサービスしたり、言われなくてもチェイサーをお出ししたり。コロナ禍で厳しい時だからこそ、一人ひとりのお客様に対して、こうした小さなサービスを重ねていくことを大切にしています」。
日本酒は、人とのつながり。
多くの日本酒を扱う中、仕入れた酒は必ず自分でも味を確かめて、お客様にわかりやすく説明できるように心がけているという高野氏。「日本酒は本当に全国津々浦々、多くの種類があります。情熱を持って美味しい日本酒を造り続けている酒蔵さんの中には、売り込みが苦手で世に知られていないものもあるんです。そんな酒蔵さんのブランディングとしての役割も果たしていきたいと思っています。コロナの影響でできていませんが、酒蔵さんで集まって日本酒の品評会も予定していたんです。品評会ではそれぞれの蔵の日本酒を飲み比べて、最後に残った酒を混ぜる“混ぜ酒”が風物詩。これが結構美味しいんです」。
コロナ禍で厳しい状況だからこそ、人とのつながりが大切だと実感したのだそう。「今後も業種を超えて、また同じ千日前のエリアの飲食店とも助け合いながら一緒に盛り上げていきたいです」。自分にとっての極上の一杯を見つけに行く人も増えそうな同店。今後の活躍も楽しみだ。
※文中の価格はすべて税込み
店舗データ
店名 | 地酒蔵大阪 千日前店(じざけぐらおおさか せんにちまえてん) |
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住所 | 大阪府大阪市中央区難波千日前10-14 |
アクセス | 各線難波駅から徒歩約3分 |
電話 | 06-6585-7596 |
営業時間 | 月~金17:00~23:30(L.O.23:00)、土日祝15:00~23:30(L.O.23:00) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 44席 |
客単価 | 3000円~4000円 |
運営会社 | 株式会社V-EMOTION |
オープン日 | 2021年2月8日 |
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