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コラム

ラーメン店で起きているレジ革命!


普及率が高いラーメン店の券売機!

 牛丼チェーンなどをのぞけば、飲食店として券売機の普及率の高い業種といえばラーメン店。ここ10年ほどでかなり普及しました。ラーメン店は10席以下の小規模店が多く、店主のみのワンオペ営業になりがちなことが大きな理由。ラーメンを作っている最中に発生する現金のやりとりから開放されることからかなり好評です。煩わしさからの開放では、同様に固定電話を設置しないラーメン店も増加。必要な情報はTwitterやInstagramで発信するという店も増えています。

▲スタンダードなラーメン店の券売機。

▲スタンダードなラーメン店の券売機。




券売機がコロナ禍で進化

 これまでは、現金を入れてボタンを押して食券を買うというシンプルな券売機が主流でしたが、ここに来て、ラーメン店の券売機が進化をはじめています。いくつか理由があるのですが、ひとつは「セブンイレブン」や「スシロー」など、大手チェーンがセルフレジを導入。そのノウハウをメーカーが券売機にも応用しているからです。

▲レシートのバーコードをかざす、ファミリーレストランのようなセルフレジを導入するラーメン店も。

▲レシートのバーコードをかざす、ファミリーレストランのようなセルフレジを導入するラーメン店も。



 また、コロナ禍でも経済的な影響が少なかったラーメン店が、給付金の有効利用として非接触化が進むこともあり、導入をすすめているようです。


進化型券売機を導入した未来型店舗も登場

 8月1日、大阪・なんばの道具屋筋商店街にオープンしたラーメン店「next □(ネクストシカク) 」。コロナ禍の現在でも、連日行列になる肥後橋の人気ラーメン店「鶏soba座銀」の新ブランドで「体験型ラーメン屋」がコンセプトです。

▲「next □(ネクストシカク) 」。

▲「next □(ネクストシカク) 」。



 黒が基調で、壁に常時映像が映し出されているこれまでのラーメン店になかったスタイリッシュで近未来的な店内が印象的。箸やレンゲをカウンターの引き出しに納め、カウンターに余分なものがのっていないなど、さまざまな工夫が凝らされています。 

▲箸やレンゲ、おしぼりなどはカウンターの引き出しに収納。

▲箸やレンゲ、おしぼりなどはカウンターの引き出しに収納。



 また提供されるラーメンは、「牡蠣」がメイン。スープ自体は鶏豚なのですが、牡蠣のエキスを使った個性的な一杯に仕上げています。

▲牡蠣白湯「koeru」920円と薫製玉子150円。

▲牡蠣白湯「koeru」920円と薫製玉子150円。



 内装やラーメンも個性的なのですが、こちらの大きな特徴が“キャッシュレスオンリー”。現金が全く使えず、クレジットカード&電子マネーでしか支払えないのです。お客さんは、エントランスのトビラをあけてはいる前に店頭のタッチパネルモニターの付いた券売機で食券を購入。食券を持って入店します。

▲「next □」の券売機。

▲「next □」の券売機。



 この券売機では、「VISA」、「Master」のクレジットカードはもちろん、「ICOKA」や「PASMO」の交通系、「WAON」、「nanaco」、の流通系のカードや「LINEPay」「PayPay」など、かなりの電子マネーをフォローしています。

▲利用できる電子マネーも多い。

▲利用できる電子マネーも多い。



 キャッシュレスにしたことにより、作業が減ったからか、スタッフの愛想がよく細かなところに目が届いているように感じました。これも券売機導入のメリットかもしれません。


進化型券売機が生み出す未来

 実は、これまで書いたこと以外で、券売機を導入する理由の一つとしてあげられるのが、従業員の着服防止。2号店、3号店と店舗を増やしていくと同時に起こりやすくなるのが、従業員が売り上げをごまかす着服です。現金を触る機会をなくせば必然的に金銭にかかわるトラブルも解消。年齢や国籍を問わず、雇い入れる従業員の間口を広げる意味でも、キャッシュレス券売機の導入が進んでいくと思います。

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