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コラム

コロナ禍が成長の引き金になった「濃縮ドリンク」市場がこの春から活発に!


夏の需要に備えて各社が次の手を打つ、濃縮ドリンク業界が熱い!

夏の需要に備えて各社が次の手を打つ、濃縮ドリンク業界が熱い!     ▲サントリーと伊藤園が牽引する「濃縮缶」。

 マイナスばかりが目立つコロナ禍。飲食や食品業界にとって大打撃だったのは間違いないのですが、フードデリバリーなど、苦しい状況下でヒットしたものもあります。今回紹介する濃縮缶も、コロナ禍で注目を集めました。写真のように、缶コーヒーのような180g缶に入ったドリンクなのですが、カルピスのように1~2リットルの水で薄めて飲みます。

冷水筒に濃縮茶を入れるだけですぐに飲める状態に。     ▲冷水筒に濃縮茶を入れるだけですぐに飲める状態に。

 先陣を切ったのは、「ペットボトル入りの麦茶は保管スペースを取り、持ち運びも大変」や「煮出しや水出しの麦茶は作るまでに時間や手間がかかる」という悩みを解決するために開発したサントリーの「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ」180g缶。2019年4月の発売したところジワジワと認知度を上げてきた2020年3月に、伊藤園が「お~いお茶 緑茶」、「健康ミネラルむぎ茶」、「Relaxジャスミンティー」、「ウーロン茶」各185g缶の4種を発売を開始しました。4月になってサントリーが「伊右衛門 炙り茶葉仕立て濃縮タイプ」185g缶、「サントリー 烏龍茶 濃縮タイプ」185g缶、「DAKARAミネラル 濃縮タイプ」195g缶をラインアップ。スーパーに8種の濃縮缶が並ぶようになりました。

1缶を5~10倍に薄める。     ▲1缶を5~10倍に薄める。



家族が多い家庭のコロナ禍での主婦の負担を軽減!

 麦茶などは賞味期限が2年ほどあり、もともとは災害時のために備蓄する防災用品として開発。ところが緊急事態宣言での外出自粛から、自宅での飲料需要が高まり、家族が多い家庭などで「2リットルのペットボトルを数本持って帰るのは重い」ということから、ママ達のハートをキャッチ。また、無くなっても水さえあればすぐに作れるお手軽さから、2020年のスマッシュヒットとなりました。

スーパーなどでは、1缶100円以下で販売されています。     ▲スーパーなどでは、1缶100円以下で販売されています。



自宅でうまいコーヒーを飲みたい層にターゲットを絞った濃縮ドリンクも

サントリーと日本コカ・コーラの濃縮コーヒー     ▲サントリーと日本コカ・コーラの濃縮コーヒー

 濃縮缶以上に今期の注目を集めそうなのがペットボトルの濃縮コーヒー。1本340mlで約10杯のコーヒーが味わえる計算で作られています。この濃縮されたコーヒーを水や牛乳で割って飲むのがスタンダードな楽しみ方。サントリーがこの市場に力を注いでいます。

 その理由が、在宅勤務の増加。ここ数年のドリップコーヒーブームも相まって、自宅での仕事中においしいコーヒーが飲みたいという機運が高まっています。自身でコーヒーをドリップするというファンも増えているようですが、お手軽に飲みたいというニーズに応える分野として濃縮コーヒーに注力しています


アイスコーヒーの場合34ml+136mlの170mlが理想。ラテの場合は水を牛乳に。     ▲アイスコーヒーの場合34ml+136mlの170mlが理想。ラテの場合は水を牛乳に。


おうち時間の増加でメーカーも本気に!

 スタートは2016年3月にサントリーが投入した「ボス ラテミックス」。2018年4月には、日本コカ・コーラが「ジョージア ヨーロピアン 猿田彦珈琲監修のコーヒーベース」の無糖と甘さひかえめの2種で参入しました。パッケージや内容を定期的に進化させてきたサントリーは、2021年春にもバージョンアップ。現在は「ボス カフェベース」と名前もチェンジ。組み込まれていた「紅茶ラテ」も「ボス ティーベース」として姉妹商品化しています。
現在のラインアップでは、無糖、甘さ控えめ、焦がしキャラメル、贅沢カフェインレスのコーヒー4種、無糖、甘さ控えめの紅茶2種となっています。

スーパーなどでは、1本200円前後で販売。     ▲スーパーなどでは、1本200円前後で販売。

 アイスコーヒーを水で、作った場合は、1杯あたり約20円。スターバックスのスターバックスラテ(アイス)のトールサイズ風を目指した場合で、牛乳代約60円を加えた約80円で質の高いカフェラテができあがります。コーヒーや牛乳の分量を調節して好みの味わいにできるのもメリットひとつ。

スターバックスは、タカナシ牛乳などを使用しているとか。豆乳や流行のビーナッツミルクなどで、お店に近いアレンジも。     ▲スターバックスは、タカナシ牛乳などを使用しているとか。豆乳や流行のビーナッツミルクなどで、お店に近いアレンジも。


自宅での仕事時間を充実させるフード&ドリンクに注目が集まる!

 2020年は2019年に比べて1.4倍増というデータも濃縮コーヒー市場。今後も在宅勤務が増えることが予想されることから、仕事の合間に飲んだり、食べたりするものの市場が活発化しそうです。


(取材=フードスタジアム関西 マーケティングディレクター・髙田 強)

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