焼き鳥、居酒屋、イタリアンなど幅広い業態の店舗を展開する株式会社SASAYAホールディングス。そのグループ会社の一つ、株式会社中野がうなぎ串という新たな業態を法善寺横丁に出店。「うなぎと言えばうな重」という関西のアタリマエを覆し、うなぎ串をメインにした同店のオープンまでの経緯や思いを店主の高江洲純一氏に伺った。
関西に新たな“うなぎ文化”の到来?!
ミナミの繁華街にありながらも、静かな情緒漂う法善寺横丁。風情ある石畳と老舗の割烹や串カツ店などが並ぶこのエリアに、『うなぎのじょん』ののれんと提灯が灯る。店名の「じょん」とは店主・高江洲氏のあだ名なのだとか。「もともとミナミでバーテンダーをしていましたが、酒だけではなく飲食をやってみたいと思って株式会社中野に転職しました。最初は『パステリアバンブ』や『Grill kitchen Chanpon』で、炭や鶏の勉強をしていましたが、うなぎが好きかと聞かれて、人並みに好きですと答えたら店長として店を任せてもらえることになったんです。最初は問屋さんなどにさばき方を教えてもらったり、独学で勉強したりして、今では全工程をやっています。結構やればできるもんです(笑)」と高江洲氏。
出店にあたっては、東京のうなぎの店を食べて回ったという。「関西ではうな重ですが、東京ではうなぎ串が有名で、串を1本食べてちょっと飲んで帰る楽しみ方だったんです。大阪にはないスタイルで、気軽にうなぎが食べられて、元気になって帰ってもらえる店にしようと思いました」。
関東と関西のエエとこ取り。気軽に食べられるうなぎって?
同店で扱っているのは三重県産のうなぎ。店でさばいて蒸し焼きにして提供している。メニューにある「赤いの」はタレ、「白いの」は白焼きだ(どちらも1串385円)。ヒレの下の背肉の部位「くりから」や皮だけを串うちにした「鰻皮」など、珍しい串もラインナップ。「初めてのお客様には串の5本盛り(1870円)をオススメしています。まずはお任せでいろいろな串を食べていただき、その後にお好みの串を追加で注文していただいています。キャベツとジンジャーのおつまみ「キャベジン(308円)」など、ちょっと変わった一品はお客様との会話のきっかけにもなっています」。
東京のうなぎのさばき方は背開きで行うが、関西は腹開きが一般的。しかし高江洲氏は関西や関東に捉われることなく、美味しいと思ったものを取り入れているのだとか。「関西では炭で焼き上げるのですが、関東風に蒸したふわっとした仕上がりの方が好きなんです。関西だからではなく、エエとこ取りをすればいいかなと」。
気軽に楽しめるうなぎ串からうな重まで揃う同店は、いろいろなシーンで利用できる店舗だ。
ウィスキー×うなぎ?!『うなぎのじょん』流・うなぎの楽しみ方
手軽に美味しいうなぎ串と合わせるお酒にも事欠かない。高江洲氏は元バーテンダーの腕を活かして、うなぎに合うウィスキーもオススメしている。「うなぎには日本酒が合いますが、意外とハイボールなどウィスキーも相性バツグンなんです。うなぎ串と合わせて、うなぎ×ウィスキーなんて食文化も広めていきたいですね」。
法善寺横丁から発信する、新しいうなぎ文化の今後が楽しみだ。
※文中の価格はすべて税込み
店舗データ
店名 | うなぎのじょん |
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住所 | 大阪市中央区難波1-1-18 |
アクセス | OsakaMetroなんば駅から徒歩5分 |
電話 | 06-6212-2338 |
営業時間 | 17:00~翌4:00(L.O.3:00) |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 約6坪、カウンター11席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社中野 |
オープン日 | 2021年5月14日 |
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