大阪・心斎橋駅から徒歩5分。アパレルや美容室などの店舗が立ち並ぶ一角に、国産フルーツのみを使用した、手作りサワー専門店 Sour de Kitchen（サワードキッチン）がオープンした。皇室献上の観音山フルーツガーデンの柑橘類を使った皮まで美味しく食べられるサワーにこだわったバーは、仕事帰りの一杯や2軒目としても人気が高い。運営しているのは株式会社未知インターナショナル（代表取締役社長：水本弥知秀氏）。和食や洋食など20店舗以上の店舗経営のほかにもケータリングやフードイベントなど幅広く手掛ける、飲食業界としても異色の会社だ。

もともと1997年に『Vin de Kitchen』というワインのお店からスタート。20年という長きにわたってやってきた店舗だったが、客層とともにお店のコンセプトがミスマッチになり堂島に移転。その後の店舗をどうするか検討し、国産フルーツと近年で人気の高まってきているサワーとを掛け合わせた専門店として、新たなスタートを切ったのが『サワードキッチン』。約10年海外で修業をし、現在は料理長を務める稲葉宏明氏は、自身がアトピー体質だったことから人一倍安全な食品にこだわりを持っている。「人気の高いサワーというドリンクだけでは店舗として継続していくことは難しくなります。そこに何かひとつこだわりをプラスしたいと思っていました」。そこで社長の水本氏の地元でもある和歌山の観音山フルーツガーデンのフルーツに特化したドリンクをメインにしたのだとか。

観音山フルーツガーデンはノーワックス・ノー防腐剤の果物にこだわり、明治44年から六代続く紀州農家。その果物は味が濃厚で皮まで美味しく食べられるという。

観音山フルーツを使ったサワー専門店は、まさにドリンクありきのお店。9種類からなるサワーは、「観音山レモン（ショート500円）」の基本のサワーに加え、甘い系、爽やか系に分けられている。9種類の中でも使用する柑橘類によって味のバリエーションが違うという稲葉氏。さらに「生搾り柑橘ジュース（600円）」や「生レモンスカッシュ（600円）」をそろえるなど、お酒を飲めない人にも柑橘を味わってほしいという思いが込められている。

フードメニューにはサワーを飲んでほしいというコンセプトに合わせた濃厚な味が並ぶ。

特に店長イチ押しの岩塩をレモンに1か月漬け込んだ自家製の塩を使った「自家製塩レモンの鶏からあげ（3個500円※価格は変動する可能性あり）」や、たっぷり300グラムのチーズを使った「2000秒焼きピザ（1000円）」は人気が高いのだとか。「当店は1軒目というよりも、1.5軒目という感じで来られる30代前後のお客様が多いんです。終電を過ぎて、一杯だけ飲んでいかれる方もいますね。この南船場というエリアにマッチしているのではないかと思います」。

ただし、まだこれが100％ではないのだと稲葉氏。「完璧な状態でスタートしたわけではありません。メニューの内容やお店作りなど、お客様はもちろん当店を応援してくださっている方々のアドバイスを常に受け入れています。特にメニューは日々のお客様の表情や注文に合わせて変えていくことも視野に入れています。そうやって、このエリアでの『サワードキッチン』という店をしっかりと作っていきたいと思っています」。今後はランチでカレー専門店をスタートし、二毛作で進めていく予定なのだとか。

南船場の一角に佇むこだわりのサワー専門店『サワードキッチン』。完成するまで、今から成長を見続けたいお店の一つとなりそうだ。

※文中の価格はすべて税別。

店舗データ