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コラム

コロナ禍で増えるキッチンカー


夜メインの飲食店がランチタイムに活路

 コロナ禍で苦境に立たされている居酒屋などの夜営業店が、ランチに力を入れはじめ、テイクアウトの充実をはかっています。オフィス街の店では、その次の展開としてキッチンカーが目立つようになっていきました。キッチンカー制作会社のフードトラックカンパニーによれば、製造台数ベースでコロナ前の約2倍のペースになっているそう。飲食店が助成金などを利用して製作するということもあるとか。

▲本町あたりではランチの弁当販売が急増。

▲本町あたりではランチの弁当販売が急増。



▲街なかで販売するキッチンカーも。

▲街なかで販売するキッチンカーも。




キッチンカー1台の価格は200~250万円

 キッチンカーの費用ですが、1台を製作した場合、ある程度ちゃんとしたものだと200~250万円くらい。このキッチンカーですが、DIYや近所の自動車整備工場でカンタンに作れるものではありません。というのも、キッチンカーで営業するには、自治体の許可が必要。大阪市内で営業する場合、大阪市長の許可が必要で、管轄的には保健所になります。
 いくつか満たさないといけない設備や基準があるそうなんですが、車で調理が発生する業態の場合、確実に必要なのが40リットル以上の水のタンク。そんな食品衛生法の基準を満たさないと、保健所の許可が取れません。特に大阪は厳しいそうです。

▲最近は、オシャレなキッチンカーも多い。

▲最近は、オシャレなキッチンカーも多い。




御堂筋はキッチンカーに協力的

 そんなキッチンカーですが、大阪の御堂筋では、日常の風景となっています。というのも、御堂筋に関係のある企業が集まる「一般社団法人 御堂筋まちづくりネットワーク」が、御堂筋でのキッチンカーの営業を後押し。ランチタイムの大阪ガス御堂筋東ビル付近には、たいてい何らかのキッチンカーが停まって営業をしています。

▲御堂筋の広い歩道とビルの前の公開空地を利用

▲御堂筋の広い歩道とビルの前の公開空地を利用




カレーの名店「コロンビア8」のキッチンカーメニューは再現性が高め

いくつかのキッチンカーを利用してみましたがかなりよかったのが、九宝公園横の駐車場などに出店している「GO!GO!8」。スパイスカレーブームを牽引してきた大阪の人気店「Colombia8」のキッチンカーです。
 キッチンカーでは、薄焼のナンを使ったラップサンドのようなエイトロール各800円も販売していますが、やはり食べてみたいのはキーマカレー900円。
 ルーとごはんに分けられた容器を開けてみると納得のビジュアルでかなりの再現性です。シャバシャバとしたルーはすくい上げるとちゃんとミンチが入っていますし、黄色く染まったスパイスライスの上には最後に挽いてかけられたスパイスがのっています。その横には、シシトウが1つ。「右手にスプーン、左手にはししとう」というのがこの店のキャッチフレーズのひとつで、シシトウをかじりながら、カレーを食べるお店の流儀通りに楽しめます。

▲久宝公園横は月曜日、火曜日は御堂筋に出店。

▲久宝公園横は月曜日、火曜日は御堂筋に出店。



▲ごはんとルウは別の容器。

▲ごはんとルウは別の容器。



▲仕上げでスパイスを挽くなど、テイクアウトながら高いクオリティ。

▲仕上げでスパイスを挽くなど、テイクアウトながら高いクオリティ。




アフターコロナ時代にも活躍しそうなキッチンカー

 コロナ禍直前までは、大阪城公園や万博記念公園、中之島などで、キッチンカーを使った食フェスが開催されていました。
 そんなオープンエアで開催されるフードイベントは、コロナ感染の終息に向かう過程で注目を集めることが予想されています。そんなこともあり、今後もますますキッチンカーが増えていきそうな予感がします。

▲数ヶ月すれば、キッチンカーが並ぶイベントがたくさん開催されるかも。

▲数ヶ月すれば、キッチンカーが並ぶイベントがたくさん開催されるかも。


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