飲食店・レストランの“トレンド”を毎日配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム関西」

特集

和食の料理人が贈る天麩らとそばのコース!新業態チャレンジへの舞台裏~Vol.3 株式会社炭焼笑店陽( 天麩ら そば切り なか川)代表取締役 行友裕二~

独自の取り組みや経営手法で、これまでになかった飲食のカタチを生みだし続ける経営者たち。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で多大な影響を受ける中でも売上を維持し続けている理由はどこにあるのか。
第三回は、居酒屋業態で人気店舗を展開する株式会社炭焼笑店 陽が新業態にチャレンジした「 天麩ら そば切り なか川」の舞台裏について代表取締役 行友裕二氏に話を伺った。


行友裕二社長

株式会社炭焼笑店陽( 天麩ら そば切り なか川)代表取締役 行友裕二

居酒屋業態で順調に店舗展開を続けている同社。そろそろアッパー層向けの業態も手掛けたいと考えていたころ、お初天神裏参道に空きが出た際に土地のオーナーから誘いを受けて新業態を出店。今までのお初天神裏参道「ウラサン」にはなかった、天ぷらとそばのコース料理の店を2020年6月5日にオープン。コロナ禍の中、徐々にリピーターを増やしてきた手腕とは。

 

緊急事態宣言直後にオープン?!

当初は3月オープンの予定でしたが、土地のオーナーさんが待ってくださっていたので、何とか6月にオープンしました。でも正直、厳しかったですね。緊急事態宣言が明けたばかりだったので大っぴらに「来てください」とも言えず、宣伝しづらくて。やるしかないと腹を括って、もちろんコロナ対策はきっちりしてスタートしました。

最初は仲のいい友人や知人だけにしか言っていませんでしたが、SNSでじわじわと広めていった感じです。天ぷらやそばといった業態はお客様の年齢層が高いので、一見さんは少なかったですね。10月ごろからお客様も増え始めて、リピーターになっていただくことができました。

初めての業態にチャレンジしたきっかけは

実は土地のオーナーさんから「天ぷらとそばのお店がウラサンにないので、やってほしい」と言われたことがきっかけです。天ぷらのコース料理は大阪では少ないので、いけるんじゃないかという思いもありました。ただ当社は居酒屋業態だったため、和食に強い職人さんを探していて、北新地で修業を積んだ中川さんに声をかけたんです。中川さんと一緒に修行したそば職人の山本さんが来てくれて、今のお店が実現しました。コース料理の価格帯を上げたことで、これまでの当社では使えなかった食材を使うことができています。

現在、2階は完全予約制のコース料理を、3階ではもう少しカジュアルに楽しんでいただけるアラカルトをご用意しています。

リピーター増の秘密は2人の職人の腕にあり。

コースのメニューは日替わりで、その日に入った食材で中川さんが組み立ててくれています。「自分が食べたいと思ったものをお客様に提供したい」という中川さんに「好きにしてください」と言って、すべてお任せしています。中川さんが楽しんでくれることで、お客様も楽しめるお店になると思っています。

3階では山本さんが「蕎麦と酒の会」を月に一度開催しています。こちらはそばのコース料理を提供しているのですが、毎回満席で、遠方から来てくださるお客様もいるほど人気の会です。

2人の職人さんが、それぞれの腕を発揮して楽しめる環境を作ることが私の仕事だと思っています。これまでにない業態を経験し、器や食材のこと、仕入れ先などノウハウも学ぶことができました。向かいにある「炭焼笑店 陽」でも「なか川」のアラカルトメニューを提供するなど店舗同士で連携を取ることで、他店舗のレベルも上がっています。

まだまだ厳しい状況は続きますが、まずは新しい業態の土台をしっかりと築き、これからも地元の人に愛されるお店を作っていきたいと思っています。

 

株式会社炭焼笑店 陽HP:https://sumiyakiyo.com/

特集一覧トップへ

Copyright © 2014 FOOD STADIUM KANSAI All Rights Reserved.