西梅田、北新地どちらからも好アクセスな堂島に昨年11月オープンした「みんなのバル アジアン天国」。もとはカオマンガイ専門店だったのを、後継企業である株式会社OICY(本社所在地:大阪市西区南堀江 代表取締役:兼子栄治氏)が引き継ぎ、カオマンガイを看板メニューに残したアジアンフードを提供する新ブランドへと業態転換したのが同店だ。
アジアンフードは近年、東京では専門店が続々とオープンするなど新たな外食ムーブメントの1つになりつつある。大阪ではまだその気配は薄いが、先手を打つ形での出店と言える。しかし、女性を中心とするタイ料理ファン、辛いものブーム、パクチー人気なども裏付けとなっていることは間違いない。
アジアン天国で提供されメニューは東南アジア各国の料理が主体。各国の料理を「安く美味しく」時には「楽しさ」も加えて提供することで、これまでアジアンフードに関心が薄かった層にもアピールし、同店を「大阪でのアジアンフードの入口」として位置付けることが狙いだ。
元来、日本もアジアの1国。中華や韓国料理と同じアジアの料理として親しまれやすい土壌がある。香辛料やハーブといった特徴的な味わいも新しいエッセンスとして、広い意味でのアジア料理ファンは確実に存在する。
この好立地にありながら、客単価は夜2,500円と低め。「お気軽なバルの価格設定ですが、お腹をしっかり満たしてほしい」とは店長談。客としては絶対にお得だが、どう考えても店として赤字の取り組みが「ハッピーアワー」で、17:00~18:30まで毎日、名物餃子(280円→140円に)とビール(380円→190円に)を半額かつ時間内であれば無制限!に提供している。「餃子好きにはたまらない企画!」とも。平日の昼食は周辺のオフィスで働く人々をターゲットとしたランチのほかワンコイン弁当も販売する。
こうした価格設定を可能にするのは、ひとえに「企業努力」だ。仕入れを工夫し、食材の使用法に工夫し、オペレーションも工夫してなしえるもの。「今はマンパワーによるところが大きいが、今後は安さ美味しさ以外にも新たな価値作り、ブランド力の確立に努めていきたい」とさらなる意欲を見せる。
課題を挙げるなら、土日の集客について。場所柄どうしても週末はエリ一帯が閑散としてしまうのは否めない。休日にわざわざ堂島に来る、アジアンバルに食べに来る人を増やすため「キラーコンテンツの開発」も思案中だ。
目標はここがグループの基幹店となって、ノウハウを構築し多店舗展開していくこと。次は東京・赤坂への出店が確定しているアジアンバルだが、3号店、4号店と続けたい意向だ。
メニューもまだまだ発展途上で、よりディープなアジアを体感いただけるようなものも開発中だと言う。ハッピーアワーなど飲みはじめの1軒としてはもちろん、2軒目の〆にも使い勝手が良さそうで、今後の発展に注目していきたい店の1つである。
店舗データ
店名 | アジアン天国 |
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住所 | 大阪府大阪市北区堂島2-2-34 クリエ堂島 1F |
営業時間 | 【月~土】 ランチ/11:30~15:00(LO14:30) ディナー/17:00~23:00(LO22:30) 【日・祝】 ディナー/17:00~23:00(LO22:30) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 60席 |
運営会社 | 株式会社OICY(本社所在地:大阪市西区南堀江 代表取締役:兼子栄治氏) |