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鶏を極める炭焼笑店 陽、お客の「ちょろっと美味しい」の想像を上回る「ガッツリ美味しい!」業態で大阪・沖縄で展開中!

2006年創業の炭焼笑店 陽(大阪市西区)。「陽気な友と、陽(よう)のんで陽(よう)くうて、陽(よう)笑ろて、太陽みたいにあったか〜いお店!」をコンセプトに掲げる創業ブランドの「炭焼笑店 陽」をはじめ、近年は銘柄鶏の焼鳥をアラカルトで楽しめる「炭火焼き鳥 鶏尽(とりじん)」や、鴨に特化した姉妹ブランド「炭火焼き鳥 鴨尽(かもじん)」、鶏焼肉の「七輪鶏焼 サン」、沖縄料理の「沖縄SOULFOODじゃむ」など12店舗を展開する。来年は創業から20年を迎える同社。代表取締役の行友裕二氏に話を聞いた。


炭焼笑店 陽 代表取締役の行友裕二氏

炭焼笑店 陽 代表取締役の行友裕二氏



 

アパレル専門学校を出るも飲食の道へ。お客の反応を見て鶏料理で展開

―行友さんが飲食業界に入ったきっかけから創業、現在に至るまでを教えてください。

行友氏:もともとファッションデザイナーを目指して地元香川から大阪のアパレル専門学校に進学したのですが、飲食店でのアルバイトが楽しく、そちらの道に進むことにしました。独立を見据えて様々な店を掛け持ちで働き、2006年、北堀江の住宅街に「炭焼笑店 陽」をオープンし、独立しました。

―現在は様々な店舗を展開されていますが、「陽」をはじめ鶏料理の業態が中心です。鶏料理で独立しようと決めていたのですか?

行友氏:いえ、実は「陽」はオープン当初は海鮮をメインに野菜や肉など、炭火焼で色々なメニューを出している居酒屋でした。しかし、オープンしてから次第に魚の原価が上がっていったため、試しに鶏メニューを充実させてみました。焼鳥店で働いていたこともあるので、技術や知識はあった。そうしたら、そちらの方がお客様に喜ばれ、目に見えるかたちでリピートが増えていったんです。こうして、「陽」は焼鳥がメインとなり、その後も鶏業態を中心に展開しています。

創業店の北堀江「炭焼笑店 陽」

創業店の北堀江「炭焼笑店 陽」



「鶏尽」は、アラカルトの焼鳥では珍しく地鶏を使用し差別化

―現在、特に力を入れているのは?

行友氏:創業ブランドの「陽」に加え、今は「鶏尽」に注力していきたいと思っているところです。「鶏尽」は2018年になんばに1号店オープンし、現在はなんばと沖縄・那覇にもあります。奈良の地鶏大和肉鶏をはじめ、厳選した地鶏の焼鳥や鶏料理をアラカルトで楽しめる店で、単価は4500円ほど。なんばの店は60席で月商1400万~1500万円ほどと好調です。

売上好調な「炭火焼き鳥 鶏尽」の本店は、南海通り商店街沿いに立地

売上好調な「炭火焼き鳥 鶏尽」の本店は、南海通り商店街沿いに立地


―「鶏尽」のどこがお客様に支持されているポイントだと考えていますか。

行友氏:店内で串打ちした地鶏の焼鳥を、コースではなくアラカルトで気軽に楽しめる点が強みです。アッパーなコースの焼鳥店などでは地鶏の焼鳥も多いですが、カジュアルな焼鳥居酒屋がブロイラーではなくすべて地鶏を串打ちして出しているのは珍しいと思います。価格は1本380円前後。地鶏なので正直これでも安い方だと思いますが、居酒屋のアラカルトの焼鳥だと思うと少し高く感じるかもしれません。それでも、食べてみて「うまい、もう1本ほしい」とおかわりが入る。お客様に違いが伝わっていると思うと嬉しいですね。

「鶏尽」では、鶏はもちろん備長炭や出汁をひく水にもこだわった料理が自慢

「鶏尽」では、鶏はもちろん備長炭や出汁をひく水にもこだわった料理が自慢



「ちょろっと美味しい」のつもりが「ガッツリ美味しい!」が強み

―やはり、繁盛する飲食店の基本ですが価格に対して圧倒的な品質が強みなんですね。

行友氏:「ちょろっと美味しい」くらいのつもりで食べたものが「ガッツリ美味しい!」と思ってもらえてるようですね。僕らはアッパー業態はできませんので、あくまでアラカルトの居酒屋で勝負。その中でどれだけいいものを出せるかを考えています。さらに、今後は鴨に特化した姉妹ブランド「炭火焼き鳥 鴨尽」を「鶏尽」の近くに出店し、2業態をコンビで展開し、認知を広げていけたらと思っています。

なんばの「鶏尽」すぐ近くにある「炭火焼き鳥 鴨尽」

なんばの「鶏尽」すぐ近くにある「炭火焼き鳥 鴨尽」


―沖縄料理の「沖縄SOULFOODじゃむ」も展開されています。

行友氏:こちらは沖縄料理の名店出身のスタッフとの出会いがあり、ちょうどお初天神裏参道の物件の話をもらったタイミングで出店しました。当初は沖縄らしい雰囲気を出したく、三線ライブを行っていましたが、お客様としては食事や会話を楽しみたいニーズが強いようでした。思い切ってライブをやめ、料理に振り切ってクオリティを上げていったら、シーズンに関係なく集客が安定していきました。沖縄料理の店は、定番の沖縄料理を定番の作り方で出しているところも多いですが、うちは「もっとこうしたら美味しくなる」というポイントを見つけてバージョンアップさせています。例えば、沖縄そばなら乾麺を使っているお店が多いですが、うちではもちっとした食感の生麺にし、ワンランク上の味わいに仕上げています。

―お客様の想像を上回る美味しさを提供しているという点で、「鶏尽」に通ずるものがありますね。

「沖縄SOULFOODじゃむ」はお初天神裏参道と沖縄で展開。同店の沖縄料理は本場沖縄の人にも好評

「沖縄SOULFOODじゃむ」はお初天神裏参道と沖縄で展開。同店の沖縄料理は本場沖縄の人にも好評



今後も「鶏尽」の展開を。沖縄にも熱視線

―今後の出店については?

行友氏:今後も「鶏尽」の出店を加速したい。手ごたえを感じている業態なので、本当はもっと早く広げたかったのですが、コロナが明けた今ようやく、という感じです。何年後に何店舗、といった具体的な数字を掲げてしまうと焦りそうだから出しませんが、「鶏尽」は年2店舗ペースで出店できたらいいなと思ってます。直近では2024年12月に沖縄・那覇に「炭火焼き鳥 鶏尽 花れ 久茂地店」をオープンしました。東京ほどではないにしろ、大阪も家賃が上がっていて思うような物件がなかなか見つからない。沖縄ならまだそこまで家賃も上がりきっていない。都会に比べたら人口は少ないですが、そこにいる人で満席の店の店を作れば利益は大きい。沖縄にも可能性を感じています。

2024年12月にオープンした「炭火焼き鳥 鶏尽 花れ 久茂地店」

2024年12月にオープンした「炭火焼き鳥 鶏尽 花れ 久茂地店」


―「鶏尽」をはじめ今後の展開も楽しみな炭焼笑店 陽。本日は貴重なお話をありがとうございました!


炭焼笑店 陽(HP):https://sumiyakiyo.com/

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