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地方連携協定飲食店のパイオニアが作った、「土佐清水ワールド」の最新店が梅田・お初天神通りへ!

(取材=高田 強)


2015年6月17日、神戸・三宮にオープンした「土佐清水ワールド」。その最新店が梅田・お初天神通りに2018年11月7日、オープンした。本店のオープンから約3年半で7店舗目。順調な拡大ぶりに見える。この店の大きな特徴は、四国最南端の幡多地方の高知県土佐清水市との連携協定。清水さば、四万十鶏など、 現地から直送した食材を極力使用し、名物料理などを提供する。

土佐清水市の名物といえば、藁(わら)焼きのかつおのたたき。たたきに欠かせないみょうがやタマネギなども基本的には高知県産。藁も現地から取り寄せるこだわりぶり。かつおも現地スタイルの分厚く切って塩で食べるスタイルで提供している。ほかにも活〆 清水さば 姿造り3,980円や四万十鶏の宗田節だし唐揚げ680円、かつおの酒盗 380円、どろめ480円、新谷商店 めぢか一番火節480円といった大阪では味わえない料理を取りそろえる。活〆 清水さば 姿造り 3,980円は、現地から5時間以上かけて生きた状態で運ばれてくるため、特に希少。

また、こちらの店が人気であるもう一つの理由が、食を楽しませるエンターテイメントな演出。店舗奥に客席から見えるようなオープンキッチンスタイルで、スタッフがわら焼きする姿が楽しめるほか、壁には、店で使われている食材の生産者の写真が飾られる。店内入口に、カツオ節の削り機を備えていることから、付き出し代わりに宗田の削り節を升で用意。宗田節の冷奴380円を注文すると、かけ声とともにスタッフが宗田節を盛り盛りにかけてくれる。大漁の高揚感をイメージさせるような店内のディスプレィも客を楽しませる。

こちらの店舗を出店した株式会社ワールド・ワンは神戸エリアを中心に25店舗を運営。「土佐清水ワールド」以外にも、沖縄、青森、隠岐の島など、地方連携協定型の飲食店を多数運営しており、業界でも注目を集めている。そのスタートは17年前にオープンした「沖縄料理 金魚」の1号店。前職が元プロレスラーという代表取締役社長 河野 圭一氏は、興業などで全国各地を訪問。そこで気に入った沖縄料理の店を神戸で出店しようと計画した。「仕入れのノウハウなどなかったので、とにかく産地を回って食材のルートを作った」と河野氏。当時は珍しかった多彩な沖縄料理を食べさせる店ということもあり店は徐々にファンを獲得していった。“産直”という言葉もほとんど聞かない時代にそのノウハウを自然と入手。それが、約10年を過ぎた後、大きく花開く。土佐清水の人々との出会いから「土佐清水ワールド」を開店することに。

「土佐清水ワールド」を開業するにあたり、自治体からの助成金は受けていない。「地元の方々にお金が落ちる形であれば受けるが、弊社だけがいただくというのは一切ない」と河野氏。「こういう取り組みは民と民でやらなければダメなんです」と熱く語る。現地を疲弊させては意味がないということから「値下げ要求はしません!」とも。また、梅田お初天神店で7店舗目になるが、食材供給のために産地に無理をさせないようにしているため、次の出店は決定していない。こちらの店を見て感じるのは、地元生産者との深い付き合い。メニューや食材について詳しく書かれたメニューも高知県のデザイナーに発注。こういうことも“料理への愛情”だと思わせる。地元と店が強く結びつき商売として成立させ、自治体の応援はサポート。産直や地方連携のひとつの正しい形を見せてくれている。

店舗データ

店名 土佐清水ワールド 梅田お初天神店
住所 大阪府大阪市北区曽根崎2-8-7 コーストスタジョーネビル 1階
アクセス OsakaMetro谷町線「東梅田駅」駅から徒歩約2分
御堂筋線「梅田駅」徒歩4分
電話 06-6312-1034
営業時間 17:00~24:00(L.O.23:30) 、土日祝11:30〜24:00(L.O.23:30)
定休日 なし
坪数客数 70坪 108席
客単価 ディナー:3000〜4000円
運営会社 ワールド・ワン
オープン日 2018年11月7日

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