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北新地の常識を覆すバール「ワヰン酒場 ハモンベイベー」わずか4坪の立ち飲みバールに、新地ビギナーが毎夜吸い込まれる

北新地の上通と船大工通とをつなぐビル1F横丁に、2010年1月オープン。個性のある小規模店が軒を連ねる。
そんな横丁にまさかの陽気なムードをかもし出す外観。飲ん兵衛ならついふらりと立ち寄りたくなること必至。
名物の自家製ポトフ。大根や玉子、じゃがいもなど単品は100円、盛り合わせは600円。ポトフの出汁でつくる「チーズリゾット」(680円)ほか。
(左から)米田絵美さん、宮本智子さん。実力派の彼女たちに惹かれてリピーターになるお客も多い。
「最終的にはブライダル分野での展開を目指したい」と小林氏。元アナウンサーで、CMや映画出演経験も。経歴を活かし、俳優やモデル、司会などの派遣事業、美容サロンも経営している。

4坪・10席で立ち飲み、グラスワイン1杯400円、ポトフ単品100円--。まるで天満のバールのようなスペックだが、「ワヰン酒場 ハモンベイベー」があるのはれっきとした北新地の中心部。リーズナブルな価格帯や経験豊富な女性スタッフの接客はさることながら、北新地というエリアと業態とのギャップ、通り抜けができるビル1Fの横丁的な穴場感があり集客に成功している。運営するのは、北新地を中心に現在5店舗を展開するエープロジェクト(大阪市北区曽根崎新地、代表・小林晃氏)。5店舗ごとに業態が異なるが、立地はすべて北新地だ。いまの時代、北新地での展開は難しいのではないかと思うが、代表の小林氏はあくまでこの街を好む。「もともとアナウンサーでの成功を目指して勉強をしていて、そのかたわらでたまたま北新地のバーでアルバイトをしたことがきっかけです。よく、『(北新地で店を経営なんて)2代目ですか?』と聞かれるんですが、全くの素人からのスタート。街が好きなのとスタッフに恵まれてきたことに感謝しています」(小林氏)。北新地で下積みを経験し、人脈や物件との縁で1軒目をスタートしたのが2000年。ビルの3階10坪の店舗で5000円均一で飲めるカジュアルなラウンジをスタートさせる。キャバクラブーム以前の当時、周囲からは立地にも価格設定にも「ありえない」と猛反対されるが、これがニーズにピタリと合致。小林氏も連日店に立ち、口コミで売上がアップ。ヘタに北新地に染まらない瑞々しい感性が功を奏したのだ。以降、「café&bar Living」「Living place SUN」「豪快お肉酒場 がはは」「ハモンベイベー」「A COUNTER」と繋がっている。なかでも特に好調な「ハモンベイベー」は、2010年1月にオープン。10席ほどの店内に1日約60名が来店し、同日に2、3回顔を出すヘビーユーザーも多いという。しかし、この決して目立つとはいえない場所を選んだ理由とは?「自分自身が路地とか横丁のような少し奥まった場所にある店が好きで、ずっと物件が空くのを狙っていました。ここで、普通はワイン1杯1500円するような街で、400円くらいでカジュアルにワインを飲めるような店ができたら面白いだろうと、イメージが膨らんだんです」店名の「ハモン」は、スペインの代表的な生ハム・ハモンセラーノが由来で、店内にもフレッシュな生ハム(600円)がスタンバイ。小林氏が全信頼を置くのが、女性スタッフの宮本智子さんと米田絵美さんだ。どちらも飲食経験が豊富で、「お野菜いっぱいのやさしいポトフ」(600円)、「牛タンとお味噌の赤ワイン煮」(800円)、アンチョビ(300円)など、すべて彼女たちのアイデアをもとに店内で手作り。ワインのセレクトはソムリエでもある宮本さんが担当。お客との距離の近さは抜群で、ワインのウンチクはもちろん、他愛のない話をしながらグラスを傾ける常連客が後を絶たない。小林氏は「私には技術がありませんから。ハモンの2人はもちろん、どの店もスタッフが本当に頑張ってくれています」と謙遜する。「私は彼女たちやほかの店のスタッフにも、人の心に残る、生活の一部になれる店でありたいという“思い”を伝えているだけですね」出店のタイミングもスタッフの数やスキル次第だという。人頼みの展開はリスクもあるが。「それでいいと思っています。重要なポストのスタッフが辞めてしまったら店に影響が出るのも覚悟のうえ。マニュアルはあえて作りません」。そのぶんスタッフのケアは万全だ。毎晩のように同氏は各店舗に顔を出し、激励する。こまめなミーティングでコミュニケーションの機会を作る。時には店を閉めて、一緒に食事や旅行に出かける--。最後に、いまの北新地について伺った。「カジュアルな業態のチェーンや朝まで営業する店が増えていますが、お客様の絶対数は確実に減っていると肌で感じます。その中でやるなら、日々進化する努力を続けることが不可欠。現状に甘んじることなく、毎日お客様の変化を敏感にとらえることが大切だと思います」“北新地では何が流行るかわからない”という実体験をもとに、新しい業態に挑戦し続ける同氏。次は北新地東側、新御堂筋沿いの一坪のテイクアウトカフェが舞台だ。 

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 ワヰン酒場 ハモンベイベー
住所 大阪市北区堂島1-3-28
アクセス JR東西線「北新地」駅11-21番出口より徒歩3分
電話 06-6342-1558
営業時間 17:30~翌2:00(フードL.O翌1:00)
定休日 日曜・祝日
坪数客数 4坪・約10席
客単価 1800円
運営会社 A PROJECT
関連リンク ワヰン酒場 ハモンベイベー(ぐるなび)

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