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同業者、著名フードライター、飲食店プロデューサーも注目!40種以上の日本酒を“燗”で提供する長堀橋「燗の美穂(かんのみほ)」

長堀橋と堺筋本町の間。中小企業が集まるオフィス街で、夜は灯りが少なくお客のほとんどが目的客という。日曜は15時から開店。
元喫茶店だった物件に古材を合わせ、味わいある空間に。全席禁煙だが、入口付近に喫煙スペースがある。
日本酒はグラス(100CC・450円~)、1本(150CC、680円~)。燗はオリジナルの猪口で提供。
赤=熱燗、オレンジ=ぬる燗、青=冷酒と、おすすめの飲み方を色分けしてわかりやすく提示。
オーナーの中村さん。店名は知人のアイデアで、当初は店名にするつもりはなかったのだそう。「電話口で“かんのみほです”なんて言いづらいでしょう(笑)。でも、周りの方に好評で決心しました。おかげで覚えてもらいやすいです」

一度聞いたら忘れられない、インパクトある店名。“燗”とついているとおり、全国40種以上の日本酒を燗で提供するのが長堀橋にある「燗の美穂(かんのみほ)」だ。2010年8月オープン以来話題を呼び、男女問わず日本酒好きはもちろん、同業者や著名フードライター、飲食店プロデューサーが訪れる隠れた名店になりつつある。店主はこれまた店名のとおりだが、中村美穂さん34歳。広島県出身で大阪の調理師専門学校を卒業して以来、飲食業界一筋。蕎麦店や和食店などを経て、サービスもキッチンもお任せの豊富な現場経験をもつ。「燗の美穂」の直前は、大阪市内屈指の地酒の品揃えを誇る「山中酒の店」に勤務。そこで日本酒の知識と魅力を吸収し、気づいたことが日本酒は「燗で花が開く」ということだった。「日本酒=冷して飲むのが一番おいしいと思う方が多いと思いますが、燗をすることでお酒本来の良さが引き出され、味のバリエーションも豊かになります。料理に合わせやすくカラダにも優しいと、いいところばかりなんですよ」今でこそ女性がカウンターに立ち日本酒を提供する店は増えているが、燗をウリに推し出し、ましてや40種以上を揃える店はそうはない。中村さんは独立にあたり、同業者から見ればかなりマニアックなこだわりを貫き、独自の業態で一歩を踏み出した。品揃えは、たとえば鳥取の純米酒「弁天娘」(グラス500円~)、宮城の「綿屋」(グラス500円)、島根の「王禄」(グラス500円)など。中村さんの好みと全体のバランスを見ながら燗でおいしく飲めるものを仕入れ、ラインナップはこまめに見直し入れ替える。東北の酒が多いのかと思いきや、中村さんは「鳥取や山口、福岡など、西日本のものが多いんですよ。東北のお酒はちょっとキレイすぎるかな」。一杯目はビールを好む人のためにエビスの小瓶をスタンバイ。燗が苦手な人には冷酒でも提供し、あくまでお客の好みに合わせている。ベストな飲み方がわからない場合は中村さんに相談を。どのお酒をどう飲めばいいのか、カウンター越しに教わるのもこの店の楽しみ方の一つだ。日本酒の脇に隠れがちな料理だが、酒飲みにとってなかなか気の利いた一品が揃う。小鉢を膳で提供する付き出しを始め、鮮魚の造り、地鶏の煮炊きもの、魚介の一夜干しやなめろう、つぶ貝のうま煮など。酒がすすむアテ、家庭的な優しい味わいがする季節の料理プラス、中村さんの笑顔。肩の力が抜け、日本酒がさらに旨く感じられるような時間がそこにある。中村さんの中にはとにかく、「日本酒を知ってもらいたい」という思いがある。一般客はもちろんだが、特に飲食店関係者へ日本酒の知識を伝えていきたいと話す。「日本酒を置くのは、冷蔵庫のスペースを取るとか鮮度管理が面倒だとか、大変だと思う人が多いですよね。でも種類を選べば、2~3カ月品質が保てるものもあるんですよ。まず私が、日本酒の楽しみ方や提供の仕方を発信して同業のみなさんに知ってもらって、お酒離れしているという若い世代にも魅力が伝われば。私が頑張って広めていきたいです」飲む人を選びがちな日本酒の文化を継承する一人として、なかでも燗酒にこだわるという頑固なまでの志をもつ中村さん。しかし、そんな情熱はキャッチーな店名と柔らかな物腰の下に隠し、お客を煙に巻く。これからの可能性は計り知れない奥行きのある一軒だ。 

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 燗の美穂
住所 大阪市中央区博労町2-6-14
アクセス 地下鉄長堀鶴見緑地線、堺筋線「長堀橋」より徒歩6分
電話 06-6281-8007
営業時間 17:00~24:00、日曜15:00~22:00
定休日 水曜
坪数客数 18坪・15席
客単価 3500円
関連リンク 燗の美穂

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