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心斎橋の地下125席の空間で、その透明感と甘みにどよめきが起こる!山口・萩直送の泳ぎイカ、高知カツオの藁焼きで話題の「寅八商店」

明坂社長が約70もの物件を回って見つけたというビル地下の店舗。木の看板が目を惹く。
入口すぐにある生け簀は迫力満点。毎日夕方になると山口・萩直送のイカが泳ぐ。
透き通った泳ぎイカの作りは白醤油で楽しめる。ちなみに、高知では「泳ぎイカといえば寅八商店」として浸透しているそう。
厨房が見えるテーブル席のほか、2名~90名までの個室の座敷席が人気。
毎朝、納得のいく魚介を求めて漁港に連絡を取り市場へ出向く明坂氏。「大阪は、安ければいいという人が多い街かと思っていましたが、すっかり変わりました」

近年関西で人気の飲食店に多いのが、「カジュアルにワインが楽しめるバール」「単価2000~3000円」「場所はキタや本町界隈、小バコが主流」などのキーワード。そんな業界の通説とは対極をなす店が、いまミナミで人気を博している。高知に本店がある「寅八商店」(高知市、アズクリエイティブダイニング、代表取締役・明坂直樹氏)は、山口・萩で水揚げされる鮮度抜群の泳ぎイカや自慢のカツオを引っさげ、2008年に神戸・三宮に上陸。その後、2010年8月、東心斎橋の地下に90坪125席という規模でオープンした。単価は5000円を越え、広々とした店内にはテーブル席のほかに座敷の個室を完備。「会社の宴会や接待に使える店」と評判を呼び、オープンからわずか4カ月後の12月の売上は1700万円。100席を越える店舗が連日ほぼ満席という数字である。代表取締役の明坂氏は高知市出身。高校を卒業後、パブ業態でアルバイトをしたのが飲食業の始まりで、以来、地元でラーメン店のFCや創作和食店を経営し、広告代理店業なども手がけてきた。釣りが好きで、船の上で釣ったばかりの魚をさばいて食べることも珍しくないというだけに、魚の鮮度には並々ならぬこだわりがある。そんな彼が愛媛で偶然食べたのが、泳ぎイカの造りだった。「衝撃でしたね。私でもそれまで食べたことのない甘みや旨みが口の中に広がって。高知のみんなにもこのおいしさを知ってもらいたいと思い、泳ぎイカの造りを出してくれたお店の人に、どこからどうやって仕入れているのかなど詳しく聞いたのが始まりです。それが、高知市に第一号店である『寅八商店』のオープンにつながりました」メインコンテンツの泳ぎイカは、主に山口・萩から直送。水揚げの翌日には店に仕入れ、直径約2mの円形の生け簀で泳がせる。カツオも同様で、水揚げされたものを空輸し高知の居酒屋と同じ鮮度で食べられる仕組みだ。その他、和歌山、静岡、隠岐、島根、徳島、泉南、尾道、青森…と、全国津々浦々から届く魚介を、抜群の鮮度で提供する。仕入れルートを築くことができたのは、すべて明坂氏自ら漁港へ連絡を入れ、足を運び、一つひとつ信頼関係を築いてきた結果。季節や天候によって仕入れが不安定になりがちな泳ぎイカを安定的に提供できるのも、萩の卸会社がたとえ不漁だったとしても他の漁師や産地へと連絡を取りあい、良質なイカを手配してくれるからだという。メニューは「泳ぎイカお造り」(100g1780円~)。イカの種類は季節によって剣先、ヤリ、アオリ、スルメと変わる。刺身以外は天ぷら、塩焼きにて提供。藁で身をスモークし、旨みを閉じ込める「鰹の藁焼きタタキ」はポン酢や塩で楽しめる。その他、本日のおすすめが約50種。泳ぎ鮮魚の造りをはじめ、のどぐろや金目鯛などの高級魚、生うつぼ、マンボウ、かつおのチチコ(心臓)といった変わりダネも豊富。「何度も足を運んでもらうにはメニューは多いほうがいい」と明坂氏。そのぶん職人への期待は高く、大バコ店を回すホールスタッフへの接客指導にも熱が入る。「心斎橋店の職人は高知から連れてきて、ホールは現在、私が中心となって店に出ています。やはりお客様の満足を考えると、お客様目線にとことんこだわった仕事ができるスタッフが必要。冷たい料理にはすべての皿を冷やすといったきめ細かい配慮や、お客様の言葉尻を聞き逃さず、サービスに活かすことが大切ですから」。努力の結果、常連客からの予約は明坂氏の携帯電話に直接入り、ホールスタッフを名指しでたずねてくるお客も少なくないという。お客からすれば、まるで数坪の個人店オーナーと女将のような距離の近さ、頼もしさがあるのだろう。「大阪の人たちは、『ミナミは元気がない、いまはオープンするべきじゃない』みたいに思うかもしれませんが、高知から出てきた自分にとっては街を歩く人の絶対数が違うし、まだまだ伸びしろを感じる。まったくもって商売しやすい街ですよ」今後は梅田への出店も計画中。そこでも高知からスタッフを呼び寄せ、万全の布陣で臨む予定だ。高知生まれ高知育ちとして、「とにかく魚介の鮮度にこだわり、恥ずかしくないものを提供したい。そこに命をかけています」。ミナミの新たな可能性を感じさせる、熱い社長がまた一人登場した。

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 寅八商店 心斎橋店
住所 大阪市中央区東心斎橋1-18-24 ( X-CITY SHINSAIBASHI B1F )
アクセス 地下鉄御堂筋線心斎橋駅から徒歩2分
電話 06-6251-5199
営業時間 17:00~24:00(LO23:00)
定休日 無休(5月8~10日は休み)
坪数客数 90坪・125席
客単価 5000円~6000円
運営会社 有限会社アズクリエイティブダイニング
関連リンク 寅八商店 心斎橋店(ぐるなび)

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