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高級素材×調理法による「値ごろ感」で挑む! 新たな「牛タン文化」は関西に根付くか?

「牛タン べこ串」のある新福島は東京で成功を収めたオーナーたちが初めて関西出店を考える際の候補地としても人気のエリア。関西人にも「美味しい物が揃う場所」としての認知も深まり、近年、さまざまな業態がオープンラッシュを迎えている。
サードプレイスとしてぶらり立ち寄る常連客にはスタッフとのやりとりも楽しいカウンター席を、ゆっくりとおしゃべりを楽しみたい客には2階のテーブル、特別な人をもてなしたい客には奥座敷など、さまざまなシチュエーションで牛タンを楽しめる。
炉端から立ち上る湯気や煙、スタッフのかけ声やテキパキと立ち回る姿で活気づく1階。料理や空間の印象を左右するライティングやBGMと同様、すべて計算尽くの演出なのだ。
やわらか とろ牛タン(茹でタン)。「やわらか」「とろ」とシンプルな形容だがしっかりとその味わいがイメージできる。運ばれてきた料理を目にした瞬間、口に入れたときのほろりとした食感。客は相好を崩し、二度うなづくことになる。
厚切り牛タン炙り焼き。抜群の火通しによってのみ叶う、理想的な桜色。表面はしっかり炙り、肉の旨味をとじ込めながら、完全には火を入れないことで肉本来のジューシーさ、歯ごたえを感じさせてくれる。厚切りだからこそ味わえる肉肉しさもヤミツキになる。

全国に28業態62店舗を展開するスパイスワークス(東京都港区、代表取締役:下遠野亘氏)が7月、関西4号店となる新店をオープンさせた。1号店の出店から10年という節目の年に当たる今年、ずっと温めてきた素材「牛タン」業態での東京・大井町「牛たん いろ葉」に次ぐ展開となる。

場所は大阪・新福島駅降りてすぐ。駅前という好立地にありながら個店がひしめく路地裏ムードの高い一画にあり、「今後も関西に出店するならここ、この地に系列店を集めたい」と下遠野氏の熱い思い入れを感じさせる場所である。

物件はもともと住居兼お稽古場だった築70年の2階建ての町家。スパイスワークスが得意とする「昔から人や街に関わって、ひと時代を築き上げた物件が存在する意味を理解」した上でのリノベーションを行い、往時の面影を忍ばせる書籍やインテリア、風情ある佇まいはそのままに、「牛たん べこ串」として再生させた。

ガラス戸をくぐると、まず目に飛び込んで来るのが焼き場。焼き場に沿う形でカウンター席が並ぶ炉端の様相だが、奥へと歩を進めると上がり框があり、中庭や奥座敷へと通ずる。そこがかつて住居だったことを忍ばせる造りとなっている。町家らしい狭くて急勾配の階段を上がると、整然とテーブル席が配置された空間が広がる。特別感漂う別室(※事前予約が必要)へと誘う渡り廊下には心地よい風の抜けるテラス席も用意されている。

こんな古き良き時代の残り香漂う空間で牛タンをいただくとは、なんと贅沢かと思われるが、メニューをくると予想よりもリーズナブルな価格帯に驚かされる。「専門店でありながら、大衆×総合居酒屋のように気安く食べていただく」。その姿勢を貫くための隠れた企業努力、研究心はさすが下遠野氏のプロデュース店と言わざるを得ない。

オープン間もないことから客足はまだ「期待以上」とはいかないようだが、遅かれ早かれ関西に牛タンブームは「来る」と強気の予測。関東と関西では外食への期待もニーズも異なるのは周知の上でスパイスワークが打って出た最新のカード、それが牛タンなのだ。「仙台の食文化である牛タン。浅漬けと麦飯との定食のイメージが浸透していますが、素材としての可能性は実は未知数。そこに勝機を見出し、新しい価値観を見出したいと考えた。それができれば遠からず、文化の創造へとつながる。一時の流行ではなく食文化として定着させることは容易じゃないが、ニーズがないわけではない。億劫がって誰も試みなかっただけのこと。私たちが草分けとなって“関西牛タン文化”を根付かせていきたい」と下遠野氏。編集部は今後も「牛タン べこ串」の動向に注目していきたい考えだ。

(取材=西村ゆきこ)

店舗データ

店名 牛タン べこ串
住所 大阪府大阪市福島区福島2-8-15
アクセス JR東西線 新福島駅 2番出口 徒歩1分
JR大阪環状線 福島駅 徒歩3分
京阪中之島線 中之島駅 6番出口 徒歩5分
新福島駅から92m
電話 06-4256-7421
営業時間 [月~金] 11:30~14:30、17:30~23:00、 [土] 16:00~23:00  夜10時以降入店可
定休日 日祝
坪数客数 120席
客単価 ランチ~¥1,000、夜¥3,000~¥3,999
運営会社 スパイスワークス

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