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昼3時から、元町駅近の角打ちで本格マリアージュ! 店主独自の仕入れによる国産ワイン、日本酒が揃う「酒商 熊澤 立ち飲み部」

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イメージは「蕎麦屋のような外観」。一瞬何の店かわかりづらいが、それも隠れ家風になり功を奏しているとか。
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入口を入り、奥の格子戸の扉からが立ち飲み部。右手が酒販。飲んで気に入った酒を酒販で購入、もちろん逆パターンも可能。
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甲州ワインの塩山洋酒醸造「重川おりがらみ」。愛子さんがその美味しさを広めたいと願う逸品だ。通常商品は濾過がしてあるが、無濾過のものを熊澤専用に特別にワイナリーが瓶詰め。茗荷がアクセントの「リンゴとアボカドのクリームチーズ」(380円)と合わせて。
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10人も入ればいっぱいのカウンターは禁煙でクリーン。奥の棚で、酒販と立ち飲み部に分かれている。
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愛子さんがデザインにも惹かれたという「蒼空」(京都・藤岡酒造)。酒蔵を訪ね社長に熱意を理解してもらい仕入れに成功。

JR元町駅から鯉川筋を上がり徒歩5分ほど。白壁が美しい和風の建物がある。一見、何の店かわかりにくい「酒商 熊澤」は、1階が国産ワインと日本酒を200種揃える販売店、2Fが貝専門和食「熊澤上ル ボンゴレ」。そして、知る人ぞ知る隠れた立ち飲み店として人気を博すのが、1Fの酒販に併設されたスペース「酒商 熊澤 立ち飲み部」だ。酒屋の一角ということで、いわゆる角打ちなのだが、こちらはワイン、クラフトビール、日本酒を揃え、アテはホテル出身の若手スタッフが作る和洋折衷の一品、おまけに禁煙。昭和のそれとはまったく異なる、モダンで上品な趣を醸す。オープンは2012年2月。店を切り盛りするのは気さくな女性店主、澤中愛子さん(以下、愛子さん)だ。酒販店の商品の仕入れ、販売、商品管理、立ち飲み部の接客と、調理以外のすべてをこなす。彼女の国産ワイン・日本酒の知識と愛情、人脈の広さは秀でており、仕入れにも反映されている。ワインはグラス480円~(種類によって変動)。取材時は「重川おりがらみ(白)」「エゴスタルジア(白)」「ベネディクシオンブラン (白)」などをラインアップ。赤は「ハヤチネゼーレ ツヴァイゲルトレーベ」「がんこおやじの手作りわいん」といった品名が白板に書かれている。「品名を見てもご存じない方がほとんどなので、好みを教えていただければ料理と合わせてこちらで選ぶことも多いです」と愛子さん。モットーは「あえてセレクトしない」こと。「ワイナリーや酒蔵に直接出向いて生産者さんに会い、製造過程、品質、味、信念に共感した上で、作られているものを可能な限りすべて置く。商品の良さを伝える造り手の“代理人”であり、飲み手と繋ぐものでありたいという考えです」と語る。現在取引しているワイナリーは約40。北海道から九州までにおよび、足を運んできた。日本酒は現在、高知、岡山、和歌山、大阪など、西日本中心の約10社と契約中。ゆえに、「仕入れの事務作業が大変(笑)」と苦笑する。日本酒も出荷数が少ないものが多く、中でもめずらしいのは、京都・藤岡酒造の「蒼空(そうくう)純米吟醸」(90ml480円)だ。店に置かせてもらえるよう酒蔵を訪ね、その時にはOKをもらえなくとも気長に待つつもりだった。が、店のオープン日に開店祝いとして突然蒼空が送られてきたという。「本当なら(愛子さんのお願いを)断るつもりだったそうです。でも、私の思いに共感してくださって、今ではすばらしい酒で熊澤をバックアップしてくださる大事な蔵です」。ほかにも、「cuvee aiko」と醸造家に名付けられたワインがあるなど、愛子さんの周辺には酒蔵との信頼関係を感じさせる温かなエピソードが山のようにある。フードは、「熊澤名物 ワイン屋のたくあん」(200円)、「リンゴとアボカドのクリームチーズ」(380円)。「地鶏のリエット バルサミコソース」(580円)、「日本酒用珍味盛りあわせ」(2種480円)など約20種。どれもワインや日本酒の味をさらに引き出すべく、地味ながらいい仕事をする名脇役の存在感。酒の味に合わせて、味や食材を調整するという一品もあり、昼の3時、立ち飲みでマリアージュを楽しむことができるわけだ。オープンしてから約1年が経ち、現在では3回転から5回転、多い日では50人ほどが訪れる。愛子さんをはじめ1~2人いるスタッフは極力お客の顔と名前、好みを覚え、最後には出口まで必ず見送る。角打ちらしからぬ距離感で、「人が人を連れてきてくれる」のも当然だろう。最後に、今回は顔出しNGの愛子さんのプロフィールを少し。元はアパレル関係の会社員で、趣味でワイナリー巡りや試飲イベントなどを開催してきた。時にはワイナリーに滞在し、葡萄栽培を手伝うこともあるという。そして、知人にはシュバリエや有名シェフなど頼れるブレーンがずらり。オープン後はロケットスタートし、現在も予想以上に好調だというが、「目的は売上じゃなく、日本の醸造酒の良さを知ってもうらうこと」。この欲の無さも、店とその店主が愛される理由なのかもしれない。 

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 酒商 熊澤 立ち飲み部
住所 神戸市中央区北長狭通4-4-15 1F
アクセス JR神戸線元町駅から徒歩5分
電話 078-333-0087
営業時間 立ち飲み部15:00~23:00(22:30LO)、ショップ 15:00~23:00(23:00LO)
定休日 日曜
坪数客数 3坪・10人くらいまで
客単価 1500~1900円
関連リンク 酒商 熊澤

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