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乾杯はスパークリングワイン!の人気酒場「淀屋橋じゅうじろう」 フレンチ出身のオーナー・都築氏が仕掛ける単価3000円のいくつものバリュー

当初は全席立ち飲みの予定だったが、予想以上にお客の年齢層が高く、急きょ椅子アリに。大阪ではよくある話。
物件はカレー店の居抜きだがほとんどイチから改装。木をふんだんに使ったレトロな雰囲気。でも清潔感もあるという、いい酒場の条件が揃う。
取材時の「本日のおばんざい」は、牛肉のしぐれ煮、うずらの煮玉子、マカロニサラダなど6種。一人前ずつ盛り、営業中のオペ―レーションを効率化。
スパークリングワイン(480円)によく合う、名物の「フォアグラのお刺身」(630円)。軽く熱を通し、まったり・しっとりとしたコンフィとして仕上げ。
(写真左から)代表の都築勇悟氏は、愛媛県出身の44歳。フレンチの職人出身で飲食業のコンサルティング経験も豊富だ。隣は、店長の金橋優氏。接客はかなりの上級者で、オープン後3か月にしてファンも多数。

2012年9月にオープンした淀屋橋の酒場の新顔、「淀屋橋じゅうじろう(以下じゅうじろう)」が好調だ。単価は2500円~3000円。鮮魚の造りや豊富なアテにかくれて、フォアグラや馬肉のタルタル、ココットなどフレンチの片鱗がチラリ。さらにドリンクメニューのトップを飾るのは、「スパークリングワイン」(480円)。安くて料理にこだわりがあり、時代をとらえたドリンクがあり、なおかつスタッフとの距離もほどよく近い。3000円の中でいくつものバリューがある実力派の一軒となっている。運営は、福島を中心に飲食店を展開するティエフピーワイズ(大阪市福島区)。代表取締役の都築勇悟氏は、もともとホテルのフレンチシェフとして10年働いた後、かの小林事務所で商品開発などに携わっていた。同社を退社後は、飲食店のコンサルティング業と並行しながら自身も飲食店をオープンするが、2003年に飲食業一本に絞った。その後、福島を中心に、立ち飲み、讃岐うどん、創作居酒屋など、これまで10軒を手掛けている。なかでも「匠家 TERU」は、築100年の町家を活かした店舗でフレンチと和食を融合させた創作料理をカジュアルに楽しめる店として人気を博している。「じゅうじろう」の立地は、京阪淀屋橋駅から歩いて5分とかからないオフィス街ど真ん中だが、大通りから一本入った「わざわざ感」が魅力だったという。店は元カレー店で、店頭に残されていたテイクアウト用の小窓も都築氏の目に留まった。「カウンターの前を立ち飲みにして、TERUよりもさらに手軽な価格にできたらどうなるだろう?」と、都築氏のこれまでのノウハウを凝集した形となった。淀屋橋のランチ集客にも興味あったようだ。ウリは前出の、和ベースに時々フレンチの変化球が飛んでくる創作料理たち。ざっと全70種近くあるメニューの開発は都築氏の思いつきというが、やはり料理ができ、見せ方も知っている人物の「それ」だと思わせる内容だ。オリジナリティがありひと手間を感じさせるフード、「うまいもん」「スグ出ます!?」などの見出しからなるキャッチ―なメニュー構成、気負わない(でも“ざくさく”“ふわふわ”などいかにも美味しそうな)メニュー名、客席で仕上げをするシズル感ある一品、そして、桜肉のタルタルステーキ、フォアグラのお刺身など興味をそそる「名物」。これらを都築氏、調理件店長の金橋 優(まさる)氏が手掛けるが、おばんざいや浅漬けなどは福島の「TERU」と共通で仕込むことで、マンパワーをカットしている。とはいえ、かなり経験がなければこの数はさばけなさそうだが。「だから自分で入っているというのもあるし、先におばんざいの注文が入ることが多いので、その間で効率をはかります」と都築氏。もとが職人ゆえのサガもある。食材に「つい、いいものを使ってしまう」結果、「シコシコ麺の塩焼きそば」(530円)などの原価は50%になってしまっているのだとか。ドリンクは、ワイン、焼酎、ハイボール、梅酒、日本酒などバランスよく揃っているが、地酒のメニューがない。「日本酒は金橋店長が直接説明する“口売り”です」。日本酒のウンチクには終わりがない。お客とのやりとりが良くも悪くも長くなるのは必至だが、「でもそれもウリの一つ。“店長の口車に乗せられたい”というお客様も多いんですよ」。現在、ランチには「黒毛和牛ハンバーグ」(800円)や「トンテキ定食」などを(800円)を目当てに1日70人が訪れる。夜営業の手ごたえも十分だ。「最近は、安い立飲みでもお客様が減っている時代。もう安いから来てくれる時代ではないんでしょう。ちゃんと食べられて飲めて、3000円くらい。このルールを守ればオフィス街でもどこでもやれると思います」。今後は、同じく淀屋橋や北浜あたりで、立ち飲みをイメージできる物件で出店予定。比較的単価が取りやすいエリアだけに「じゅうじろう」の出現は他の飲食店の脅威になるかもしれず、今後が気になるばかりだ。

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 淀屋橋 じゅうじろう
住所 大阪市中央区北浜3-5-19 ( 淀屋橋ホワイトビル1F )
アクセス 京阪本線「淀屋橋」駅、地下鉄御堂筋線「淀屋橋」駅から徒歩3分
電話 06-6232-3777
営業時間 11:30~14:00 17:00~24:00(L.O.23:00)
定休日 日曜
坪数客数 14坪・30席
客単価 2500~3000円
運営会社 有限会社ティエフピーワイズ
関連リンク 淀屋橋 じゅうじろう(食べログ)

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