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34歳女将が仕切る大ヒット酒場「粋なおつまみとお酒 にこ」 商店街を外れたほの暗い大阪天満宮南側で、1日3回転、60人を集客

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一見カフェにも見える外観。が、一升瓶がズラリと並ぶ棚に、酒場好きが吸い寄せられる。
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迫力ある壁作り付けの棚は、東村さんの念願。「モダンさや落ち着き、骨太感を演出してくれます。自分の店にはぜひ作りたかった」。
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オーナーの東村奈緒美さん。以前の会社では、若くして店舗運営や業態開発を任され、親ほど歳の離れた職人らとともに仕事してきた。調理もでき、現場経験は百戦錬磨。

低価格ワインや小皿料理を売りにしたバル・バールブームの沈静がうたわれるなか、個性ある日本酒や焼酎、丁寧に作られた和食のアテが楽しめる酒場、「和バル」とでもいいたくなるような個人店がじわじわと増えている。「粋なおつまみとお酒 にこ(以下、にこ)」もそんな一軒。大阪天満宮の正門から南へすぐの場所にあり、周囲は小規模ビルやマンションが多く、夜はぽつんぽつんと飲食店の灯りが道を照らす程度。天神祭や初詣時期以外、多くの人通りは見込めないというエリアだ。にもかかわらず、2009年12月にオープンした同店20席の店内は曜日問わず盛況。予約なしでのゴールデンタイムの入店はほぼ不可能で、入口で茫然としていると奥から「申し訳ありません!ただいま満席で…またお願いします~!」と、女性の声がする。それがオーナーの東村奈緒美さんだ。たすき掛けにした着物姿で、一人で調理をこなし、酔客で満員の店内を回す。“粋なおつまみとお酒”というとおり、フードメニューは40種ほど揃い、どれもひと手間かかったものばかり。名物は「和牛すじ肉の赤味噌煮込み」(480円)。旬のメニューも揃え、9月は「鮭と秋茄子の南蛮味噌焼き」(380円)「鱧ときのこの土瓶蒸し」(480円)「さんまの棒寿司」(380円)など。ほか、「枝豆のバター醤油焼き」(380円)、「とり肝山椒煮」(280円)、「ザーサイだれの冷ややっこ」(380円)「ホタルイカ素干し炙り」(380円)など、テーマは「家ではできない絶妙なライン」と東村さん。あくまでアテのためどれもポーションは小さめ。ゆえに値段も可愛いらしい。酒は焼酎90種(380円~)、日本酒11種(ハーフ380円~、一合580円~)、ジン、チューハイなどをラインアップ。卸業者とは焼酎10社、日本酒8社と取引し、限定品やレアな逸品を揃える。以前、飲食情報誌で「日本酒の店」として紹介されたため、日本酒好きが集まりがちだが、東村さんは「楽しく飲めれば、お酒はなんでもいい」といたって軽やかだ。種類は厳選しているが、お客のターゲットは絞ることなく、マニアだけの店にするつもりもない。実はオープン当日までは立ち飲みの予定だったが、「(街に)意外と高齢者が多い」と感じて急きょ椅子を導入したというエピソードもあるくらいで、お客は20歳~90歳までと幅広く、日常使いに目的客と、使い方も単価もさまざまになっている。これも想定内の範囲だとか。本格和食の香りがぷんぷんする気の利いた酒肴、ドリンクのラインアップ、モダンな店内、計算された価格帯。聞けば、東村さんは和食店「ごはんや一芯」出身の34歳。20歳から正社員として勤務し、20代前半で100席規模の店長や新店立ち上げ、業態開発、商品開発に携わり、東京~大阪を走り回っていたという。30歳で独立を考えるが、「視野を広げたい」と飲食とは全く関係のない、超大手IT、有名アパレル、情報サービス企業に応募し(なんと3社とも合格)、転職した。転勤を機に1年弱で退職し、「にこ」オープンに至る。これまで物件選びは確かなセオリーのもと行ってきた東村さんだが、「にこ」の立地は自分でも意外な選択だったとか。「出身の西宮や阪神沿線で探していたんですが、たまたまこの物件を見たとき、残っていたカウンターの高さや風合いがしっくりきて、ピン!と感じたのがきっかけ。駅から遠くて店前交通量もなく、セオリーにはまったく当てはまらないんですが(苦笑)」。過去何軒もの店が閉店してきた物件にもかかわらず、オープン後2カ月で利益が見込めるまでになった。店は居抜きで、主に手を入れたのは壁一面に広がった瓶の棚や空調面。「店の居心地とは、設備の良さが作るもの」という持論があり、現在も小さな改装を繰り返している。ほかにも、椅子の微妙な高さやメニューブック、箸置きの場所一つにもこだわる徹底ぶりだ。この9月末には、にこの姉妹店として、兎我野町に「おでんと肴 さかもと」をオープン予定。「多店舗化がゴールではないので、店舗展開はあくまで任せられる人が育ってきてから」と語る。右脳左脳フル回転の才女・東村奈緒美さん。「にこ」の進化ともに、新店の内容も気になるばかりだ。

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 粋なおつまみとお酒 にこ
住所 大阪市北区天神橋1-18-27
アクセス 地下鉄堺筋線、谷町線「南森町駅」から徒歩5分
電話 06-6355-4147
営業時間 月~土曜17:00~24:00、日曜15:00~21:00
定休日 無休
坪数客数 15坪・20席
客単価 2500円
関連リンク にこ(食べログ)

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