飲食店・レストランの“トレンド”を毎日配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム関西」

ヘッドライン

アイデアは街場から――。元気ファクトリーが放つ天満のヒット店舗 売上は3店舗で月1300万以上の「バッテンよかとぉ」「玉五郎」「ツギヱ」

週末は行列必至の「博多串焼き バッテンよかとぉ」。今吉氏が、博多で飲んでいるときにひらめいた業態とか。向かいには婦人肌着や茶葉を売る店が並ぶ。
ネタをショーケースに並べるのが博多流。「熊本直送の馬刺し」(819円)、「塩もつ煮」(399円)、「名物しろ」(137円)など一品も充実。
店舗はスケルトンからのスタートで厨房と吸排気設計が必要だったが、内装は廃材を使った手作りでコストダウン。
代表取締役・松野氏(写真左)とBOSSの今吉氏。「新しい業態を始めるとき、不安はない。万が一ズレを感じれば、すぐにテコ入れをします」。

天満市場の、自転車が一台通れるほどの細い路地に賑わいを見せる一角がある。「博多串焼き バッテンよかとぉ」「電撃ホルモン ツギヱ」「煮干しらーめん 玉五郎」の3店舗が連なり、すべて元気ファクトリー(大阪市中央区、代表取締役・松野智和氏)が運営。2006年7月に、「バッテンよかとぉ」から始まり、続いてホルモン、ラーメン店を出店。現在もなお、すべての店舗の売り上げが右肩上がりだという。
元気ファクトリーといえば、1995年に立ち上げた「焼肉どんどん」が大ヒット。一人焼肉ができる“カウンター焼肉空間”とサイドメニューの充実で東京や上海にも進出し、現在系列を含み30店を展開。並行して、精肉店経営、鹿児島黒毛和牛の一頭買いやセントラルキッチンを設置し、規模を拡大している。今回は、人気店創出企業、元気ファクトリーの業態開発秘話や天満エリアでの成功の要因などを伺いに、代表の松野氏と創業者である“BOSS”こと今吉純一氏を訪ねた。
「バッテンよかとぉ」がオープンした2006年は、天満界隈が今のような出店ラッシュを迎える前のこと。物件を見つけた松野氏はこう話す。「周りは長年やっている婦人服店や茶葉専門店が並んでいて、20時くらいにはシャッターが下りるんですよ。夜はすごい暗くなるけれど、人通りはすごくあった。この一角で飲食店ができたら面白いことになりそうだと思いました」。その物件は、同社的には未知の領域の70坪。とりあえず2つに分けて使う予定だけを立て業態は未定としたが、貸主は「元気ファクトリーさんなら何かおもしろいことをするに違いない」と信頼を寄せてくれたとか。
そこで今吉氏が、すでに北新地で展開していた「バッテンよかとぉ」を、天満風にカジュアルダウンすることを思いつく。「計画はなし!ひらめきだけ。でも品質にこだわり、いいものを安く提供できる専門店というイメージはありました」と今吉氏。当時、天満にあるのは、駅前の立ち飲み店をはじめ、中華料理店、老舗の寿司店、粉もの系。経営者も高齢者が多かった。異端な店舗ができると知った周囲からは当初奇異な目で見られ、単価2800円という設定にも「この場所では高い」と冷ややかな反応だったという。
しかし、オープン後状況は一変。「バッテンよかとぉ」を目当てに、若い女性が天満に足を運ぶようになったのだ。人気の理由について松野氏は、「まずは品物のクオリティ。あとはそれまでに天満では少なかった若いスタッフがTシャツ姿でイキイキと仕事している店も新鮮だったようです。人気は口コミで広がっていきました」と話す。暗かった路地は灯りと活気ある通りへと変わり、天満出店ブームへとつながっていく。
その後、同物件内に今吉氏がかねてから関心のあったラーメン業態「玉五郎」を立ち上げたが、まだスペースが余る。というわけで、残りの3.5坪を利用して、立ち食いスタイルのホルモン店「ツギヱ」が生まれた。
焼肉業態を得意としていた同社が、ラーメン店を始めたのには今吉氏なりの理由がある。「BSE問題を経験し、これ以上焼肉だけにこだわるのは賢明ではない。今は、初期投資を1~2年で抑えられる、効率がよいものを考えていきたい。長引く不景気で飲食業事態が“小銭商売”に変わっていくと思ったのもキッカケですね」。
そこで自分の足と舌で業態開発を進めるのが今吉流。全国のラーメン店を食べ歩き、新宿のとあるラーメン店で働こうと面接を受けに行ったというから驚きだ。「普通に面接してもらったんですが、素性が知られ断られてしまいました(笑)。結果、その店に協力してもらい大阪でも通用するラーメンを開発したわけです」。そして、豚骨と魚介の風味が絶妙にマッチした人気ラーメンが生まれた。「玉五郎」は、飲食店関係者が行きかう天満界隈でも評判の味で、驚異的な売上を叩き出している。
人材育成にも力を入れる同社では独立支援制度を導入。2007年からスタートし、将来独立を望むやる気ある若手の採用に尽力してきた。「ツギヱ」はその独立制度により山川剛史氏が任されたが、現在は山川氏が店を買い取り、オーナーとして孤軍奮闘中。こちらも不景気知らずの結果を残している。「玉五郎も来月には第一号のれん分けがスタートします。人材が育てば、どんどんのれん分けで広げていきたい。任せるスタッフの基準は向上心があること。忙しくても外に出て食べ歩いて、街の空気やおもしろいと思う店のアイデアを蓄積できるような人物ですね」(今吉氏)。
気なるのは次なる展開だ。当面はラーメン業態に力を入れていくとのことだが、立地は?との問いに対しては「私が飲んでいて楽しいと思える街」と、これまた今吉氏らしい答え。東京や神戸、博多出店も控えている。直近では、5月上旬、大阪駅前第2ビル地下2階にて、「つけ麺 紋次郎2号店と「玉五郎」10店舗目となる京橋店を、夏には東京の新宿にて「玉五郎」をオープン予定。
現在50歳の今吉氏。社長業を松野氏に譲りながらも、いまなお精力的に街へ出て、模索を続ける。「一生、業態を作り続けていたい」という言葉が印象的だった。

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 博多串焼き バッテンよかとぉ
住所 大阪市北区天神橋5-6-33 タニイ建物ビル1F
アクセス JR環状線「天満駅」から徒歩3分
電話 06-6136-1655
営業時間 17:00~24:00
定休日 無休
坪数客数 15坪・42席
運営会社 株式会社元気ファクトリー
関連リンク 元気ファクトリー
関連リンク どんどん北新地店(ぐるなび)
関連リンク ばってんよかとぉ天満店(食べログ)
関連ページ 玉五郎 天満店(食べログ)

 >> 大きな地図を見る

ヘッドライン一覧トップへ

Copyright © 2014 FOOD STADIUM KANSAI All Rights Reserved.