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バール密集地帯の天満にオープンして7年 香港の下町食堂の空気感漂う中華バル「黒龍天神樓」

名物は雲呑(わんたん)料理。「皿ワンタン」「揚げワンタン」(各4個・320円)ほか。餃子や焼きシュウマイなど定番の点心もあれば、季節の素材を使った「牛肉と侍シイタケの黒胡麻いため」(800円など)も。「おまかせ前菜盛り」(4種1000円、7種1500円)も人気。
カウンターは、小皿料理とサク飲みもできるカジュアルな雰囲気。スタッフとの会話を楽しむ常連客も多い。
素材にこだわったエスニックなインテリアが揃う。
JR天満駅の南東側。市場側と比べ比較的夜は暗めのエリアにあって、照明が効いている。
代表の黒川修平氏。週2回ほど店内で料理の腕をふるう。ちなみにアイスホッケーはプロ並みの腕前で、現在もコーチを務めているとか。

バールやバルが隆盛の昨今。路地のビニシーな店舗でもキレイ系がスイスイと吸い込まれていき、グラスなみなみに注がれるワインも珍しくなくなりつつある。フースタ関西では、もはや定番業態となったバール・バル業態のこれからの課題について、集客のフックをどのように作り、どう表現するかが、ますます店の優位性になっていくのではないかと考える。そこで、新たな可能性を求め、特徴的かつ人気のある新旧バール・バルを取材。業態開発のヒントを見つけていただけると幸いだ。JR天満駅南口すぐにある「黒龍天神樓」は、2005年にオープン。中国や香港、シンガポールなどオリエンタルな香りをまとった料理が約50種そろい、アルコールはビール、紹興酒、焼酎、日本酒、もちろんワインもスタンバイ。店内はテーブル席のほかに、バルらしくカウンター席や立ち飲みができるスペースもあり、界隈に多い「中華料理店」とは一線を画す。内装にも注目だ。淡いエメラルドグリーンに塗られた壁に、アンティーク家具の焦げ茶、雑貨の赤が妙にハマる。「ジャッキー・チェンの映画に出てくるような、『香港の下町の食堂』をイメージしました。家具や雑貨は実際に購入したものです」と話すのは、オーナーの黒川修平氏(ベネポ、大阪市北区)。中華料理店を営む父のもと、幼少の頃から中華や飲食業界に親しんできた。大学卒業後は東京の外食企業に就職を考えるが、父がコンサルティングを手がけていたシンガポール料理店の人手が足りず、帰阪。同店の店長となる。この店で、関西ではまだめずらしかった香辛料「カー」「ウコン」「ターメリック」などに触れ、ヨーロッパ、中国、イスラム文化が融合し独自に発展したシンガポール料理を身につけた。この時の経験が、「黒龍天神樓」のスパイスが醸す複雑な辛味と、バリエーションある料理につながっている。オープン当時の2005年は、ようやくバルやバールという言葉が登場し始めた頃。黒川氏は、気に入りのスペイン小皿料理店で、「タパスみたいに、中華も小さいポーションで出したらおもろいのでは」と思いつく。日本で中華といえば大皿料理が常だったが、中国や香港の下町では、もっとカジュアルでファストフードのように、ワンタンやビーフンなどが食べられている。この現地の空気感をパッケージしたのが「黒龍天神樓」というわけだ。JR天満駅前という立地も功を奏した。「昔からあるレベルの高い立ち飲みが多く、賑わっている場所。市場も近くて新鮮で安い食材が手に入るのもいい。特に、旬の野菜で珍しいもの、たとえば『さむらい椎茸』『とさがみトマト』などもどんどん取り入れて、『料理で遊ぶ』ようにしています」と同氏。最近の人気は、「ラム肉のしゃぶしゃぶ」(一人前1890円)。羊肉の火鍋は中国ではメジャーな栄養価が高くヘルシーな食材として、女性や年配者にもうけているとか。遊ぶとはいえ、何でもアリではなく軸はあくまで中華料理なのだ。現在、売上は月間約350万円。今後の出店のタイミングはあくまで人ありき。「スタッフとその家族の幸せを考え、その時に2号店、3号店が必要だと思えば出しますね。店を増やすことが目的になるとダメ。それがスタッフのプレッシャーになりますから」。ひとまず、本店を基点にしながら地域のバルイベントへの参画など、街や店舗との横つながりにも力を入れていきたいとのことだ。天満の若手オーナーの中ではベテランに入る黒川氏を慕う後輩は多く、店には飲食店関係者が頻繁に食べに訪れる。一朝一夕では作れないこの街場感も、流行るバルに欠かせない要素の一つだろう。

(取材=横田ちはる)

店舗データ

店名 黒龍天神樓
住所 大阪市北区天神橋4-2-12
アクセス JR天満駅から徒歩1分
電話 06-6353-9614
営業時間 11:30~14:00(月曜日~土曜日)、17:00~24:00(LO23:00)
定休日 無休
坪数客数 18坪・30席
客単価 2800円
運営会社 株式会社ベネポ
関連リンク 黒龍天神樓(食べログ)

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