焼き鳥や串カツ、居酒屋、ワインバーなど比較的カジュアルな店舗が乱立し、その動向がいつも注目されているJR天満界隈。日本一長い天神橋商店街が南北に、環状線の北側には新店続出の天満市場があり、大阪市内でもキタ、ミナミに続く飲食密集地と言ってよいエリアだ。その中で5月30日、東西に走る環状線の高架下に、神戸を中心に展開するオベーション プラス(神戸市中央区、代表取締役 梅村雄士氏)が、イタリアンバール「Bar S”alu(バルザル)天満店」で同ブランド3店舗目を出店した。大阪進出にあたり、天満を選んだ理由について梅村氏は「天満は常に注目されているエリア。競合の多い中で、弊社の“バルザル”という業態が生き残れるのか挑戦したかったですし、大阪で勝ち残れる業態に育てていくためにもこの場所を選んだ」と語る。店舗は、路地沿いの高架下ながら、明るい色合いとポップなデザインが女性客も入りやすい造りとなっている。また、入り口に置かれた魚介類などの食材が通行人の目を引く。ドリンク、フードは、バルザルとしてのベースメニューを用い、店舗ごとに特色を追加。天満店では、魚介類の炉端焼きがウリで、目の前で食材を選んで炉端焼きや、アクアパッツアなどの注文も出来る。「全てが同じだと、個性がなくなる。そうではなく、同じ屋号でも独自性を出すことで、それぞれの店に行ってもらう理由付けになれば」と同氏。「“イタリアンバール”とうたってはいるが、イタリア料理にこだわるのではなく、あくまでもお客さんの要望に適応するというスタンス」というのがバルザルのスタイルだ。ドリンクメニューは、サントリープレミアムモルツ(390円)、ハイボール(380円〜)、ワイン(390円〜)など。フードは、「殻付きホタテのROBATA焼き バーニャカウダソース」(280円)、真鯛、イサキ、ガシラなどを使った「本日の鮮魚のアクアパッツア」(780円〜)、「ブイヤベースのつけ麺パスタ」(780円)、「バルザル名物前菜9種盛り合わせ」(950円)などで、格安のちょっとしたツマミと、新鮮魚介を使った食べごたえのある一皿のメリハリあるラインナップ。同氏が言う「ビジネスマンやOLが、週に何度も気軽に通うイメージ」に納得。売り上げ目標は月商450〜500万円。1年くらいかけて550万円くらいに育てていくのが理想と梅村氏。「バルザルは当社の主要ブランド。早い時期に大阪で展開して、バルザルの名前が広く認知されるようになりたい」と意気込みを語る。今後の出店計画については、同ブランドで4店舗目をキタエリア中心に検討中とのこと。同社では昨年9月、「トラットリア酒場 ピグボッテ」を北浜にオープンし、大阪出店は実質2店舗目。「いずれは東京にも出店したいと思う」と、視線の先にある東京進出に備え、大阪で着実に基盤を作る姿勢の同氏。今後の展開に注目だ。
(取材=西村公美子)
店舗データ
店名 | Bar S”alu 天満店 |
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住所 | 大阪市北区天神橋4丁目9-9(大阪天満4号) |
アクセス | JR天満駅から徒歩2分 |
電話 | 06-6354-4136 |
営業時間 | 17:00〜翌3:00(L.O. 翌2:00) |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 27坪・58席(2階建) |
客単価 | 2200円 |
運営会社 | 株式会社Ovation Plus(オベーション プラス) |
関連リンク | Bar S”alu天満店 |