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特集2

ポンパレ1周年インタビュー

2008年に登場した米国「Groupon」以降、日本でも盛り上がりをみせるフラッシュマーケティング。現在、日本だけでも250以上のサービスがあると言われている。その中でもトップを争う規模にあるのが、リクルートの共同購入サイト「ポンパレ」だ。
「新しい体験、プチ贅沢」をテーマとして、グルメの割引チケットや、ホテル、レジャー、エステなど各種サービスのプレミアムチケットを驚きの価格で提供、期間内に同じチケットの購入希望者が一定数以上集まった場合に格安で購入できる。
2011年7月21日に1周年を迎える「ポンパレ」は、この1年間、どのような取り組み、運営を行いどのような影響をもたらしたのか、特に飲食業界においてポンパレの与えた影響とは。今回は、ポンパレの編集長、前澤 隆一郎氏(リクルート ネットビジネス推進室 ポンパレチーム)と、飲食領域のポンパレ、ホットペッパーを統括するカンパニーオフィサー、岩下 順二郎氏(リクルート カスタマーアクションプラットフォームカンパニー 飲食情報ディビジョン)にお話を伺った。




クライアント(飲食店)について

【クライアントへの営業はどのようにされてますか?】
それぞれの土地の相場感や事情を熟知しているホットペッパーの営業が、ポンパレのプランナーとして対応し   ているので、フラッシュマーケティングだけを案内するわけではなく、飲食店が賑わってもらうために、リピーターが増えるためにを最終目標にしていますから、ホットペッパーやポンパレを飲食店の課題に合わせて提案しています。(岩下氏)

【展開エリアは?】 お2人アップ.JPG
対応エリアは北海道から沖縄エリアまで55エリアです。ホットペッパーのエリア分けを参考にしています。(前澤氏)
飲食の領域ではチケット販売枚数の60%は東京圏、続いて大坂、名古屋と続いています。(岩下氏)
【現在の飲食店の課題はどのような傾向があると考えていますか?】
ホットペッパーとポンパレのマトリックスでクライアント様の課題に答えることはできているものの、まだ対応できていない部分もあると感じています。例えば、今からふらっと飲みに行くニーズってあると思います。そんな時、今、席が空いているのか、今いる場所の周辺に店があるのかなど、リアルタイムな情報が必要です。ホットペッパーは、目的別検索が主軸ですし、ポンパレは出会いが軸なので、今ふらっと行くニーズには対応しきれていません。最近は位置情報やリアルタイムウェブも発達してきたので、対応できるようにしていきたいですね。(岩下氏)

【ポンパレを実施された飲食店はどのような背景で実施される場合が多いですか?】
「空席を埋めたい」、「客層を変えたい」というニーズがやはり多いです。平日の空席や、女性を増やしたい、若い新規のお客様を開拓したい場合は、ポンパレは合っているようです。(岩下氏)


【顧客満足度の高いお客様はどのような例がありますか?】
渋谷の鶏料理店では、料理8品+飲み放題が通常6,000円のところ、67%割引の1,980円で販売、1400枚以上のチケットが売れました。元々、金土祝日前のピークタイムは賑わっているお店だったものの、日~木曜や、週末の早いもしくは遅い時間は少し空席もあったことから、ポンパレで新規客を獲得し、リピーターになっていただくことが目的でした。結果、平日は少なくともポンパレのお客様が2、3組は入るようになり、多いときは10組入っています。また、お客様とコミュニケーションをとることを心がけることで、「またお店を利用したい」と言っていただけることもあり、リピーターにつながっているのは良い点です。来店したお客様の中でも、近隣の会社に勤めている人で、お店のことを全く知らなかった方などは、きちんと満足していただければリピーターにつながりやすい客層です。

池袋のイタリアンブッフェ店では、90分ディナー食べ放題+飲み放題+ピッツァorパスタのメインセレクトが通常3,425円のところ、50%割引の1.700円で販売、4800枚以上のチケットが売れました。ポンパレに掲載した背景には、土日は賑わうものの、平日は予約のお客様が少なく、新規のお客様も最近は減ってきていました。コースは魅力があるので、1度来ていただけたらリピートしていただけるという思いもあり、予約制で空いた席を埋めるべく掲載。通常は30分815円で、前菜やおかず中心のブッフェを提供しているところを、90分制にして、メインのパスタかピッツァをつけることで、ポンパレに参画しつつも、単価も一定に保ち、満足度も高くなるようなプランをつくりました。結果、平日夜は2回転するようになり、延長もできますが、ほぼ90分で組んだプラン内で満足していただいています。ポンパレのお客様とフリーでいらっしゃるお客様とのバランスも良く、予想外に家族利用が多く、震災後も売り上げは伸びていらっしゃいます。お店を知っていただく良い機会になったようです。

関西エリア、兵庫の居酒屋では、通常6,770円のところ、56%割引の3,000円販売、予定していた500枚は完売しました。ポンパレに掲載した背景は、平日の集客の課題感から。そのため平日限定のチケットにし、売り出したかった新メニューを入れたコースを新たに作って販売しました。売れ行きは好調で、2名のお客様中心、コースメニューということもあって8名ほどのグループでいらっしゃるかたも多いとのことです。クライアント様にも満足いただいたようでした。(岩下氏)

【東日本大震災の影響はございますか?】
震災の影響は大きくありました。ひと月分のホットペッパーは、被災地域はもちろん、関東でも発行分が出せなかったり、ポンパレのチケットを販売した飲食店で食材の仕入れが困難になり、同じものが提供できないなどの影響が出ています。ただ、最近は飲食店も徐々に盛りあがっているように、ネット上のカスタマーもゴールデンウィーク前後から盛り返してきているようです。(前澤氏)


【今後の飲食業界にむけて一言お願いたします】
ポンパレやホットペッパーは、飲食店が盛り上がるための施策を考え、カスタマーがより飲食店を使い、リピートしていくまでを一緒に考えていきたいと思っています。少しでも改善したいことがあるならば、一度相談していただきたいです。必ず解決策はあると思います。(岩下氏)
【ポンパレの今後の展開についてお聞かせ下さい】
最近は販売枚数も増えてきたので、カスタマーがほしかったチケットと出会うマッチングを更に強化したいと考えています。そのために、一人ひとりのカスタマーに向けて、それぞれに合った商材を提案できるような仕組みを思案中です。今は、カスタマーが希望エリアを登録して、エリアに当てはまる情報を提供していますが、更に個々の状況に適した商材が提案できるようにしていきます。(前澤氏)
ポンパレは商材の盛りあげには貢献できているものの、今後は更に枠を広げて地域や自治体を対象とした活性化も目指していきたいと考えています。ポンパレを通じて、街がより活性化していくような取り組み、プランを実施予定です。常に世の中に向けて、新たな視点を提案していく存在でありたいですね。(岩下氏)

 




ツイッターやフェイスブックのリアルタイムウェブの活性やスマートフォンの普及も重なって、瞬間的にカスタマーに情報を伝え、販売まで直結させるフラッシュマーケティングの仕組みはこの1年で更に定着した。かつリクルートの媒体力、企画力によって「ポンパレ」の言葉は知らない人はいないほどにメジャーとなった。飲食店の領域では、ホットペッパーではカバーしきれなかった飲食店の課題に、ポンパレという選択肢が解決の一つとして増えたことは間違いない。ポンパレによって、カスタマーが今まで知らなかったお店の気づきがあって、リピーターになったならば、カスタマーにとってもクライアントにとっても嬉しい出会い。今回のお話から、飲食店には多少なりとも空席の曜日や時間があり、空いているなら新規のお客様を呼んでみようじゃないか!新規カスタマーとクライアントが出会う、あっと驚くようなプランを作ろうじゃないか!と、現状よりも更に飲食店が盛り上がる施策を本気で考えているポンパレスタッフの意気込みを感じた。ポンパレが次にどんなプランを出すのか、どんな仕掛けをしてくるのか、今後の動きにも注目していきたい。

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