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特集2

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市場規模1兆6000億円――外食を凌ぐ成長市場「デリバリー中食」に注目!

家族の祝いごとや仲間とのパーティ、デートなど、“ハレ”の日の食事は家で作るのではなく外食にしたい――日本ではごく一般的な志向だろう。いま、そんな食事スタイルに大きな変化が起きている。

「中食(なかしょく)」だ。飲食店で食べる外食と家で素材を調理して食べる内食のあいだ、デパートの惣菜やデリバリーメニューなど調理済みですぐに食べられるものや食のスタイルを指す。中食市場全体では6.3兆円(*1)、なかでもデリバリーは1兆6000億円(*2)ともいわれ、ほぼ横ばいの外食市場を尻目に規模を拡大中。その背景には女性の社会進出や核家族化はもちろんのこと、インターネット上で食べたいメニューを検索して手軽にオーダーできるシステム「出前館」の存在が無視できない。今回は、日本最大手の宅配デリバリー総合サイトである「出前館」を全国に浸透させた立役者、夢の街創造委員会株式会社(大阪市中央区)・代表取締役会長の中村利江氏に、広がりを見せる中食の現状やニーズの動向、飲食店はどのように対応するべきか?「中食」のいまとこれからについてお話をうかがった。



2010年から個店の中食参入が増加header_logo.jpg.gif
「『出前館』が日本初の出前ショッピングサイトとして立ち上がったのが2000年で、現在は全国約1万件以上の飲食店に加盟していただいております。スタート当時の加盟企業といえば、寿司やピザといったすでに中食や宅配に対応した商品を扱う大手チェーンさんが主流でした。動きがあったのが2005年頃。ハンバーガーやカレー専門店チェーンさんのFC店がデリバリーを始めるのに加盟されるケースが増えてきました。当初は実験的なトライでしたが、予想以上に売上があがったことからチェーン全体でデリバリーに取り組むようになったわけです。個人の飲食店さんの加盟は2010年に入ってから増加傾向にあります。それも洋食や鍋など、従来テイクアウトやデリバリーには適さないと思われてきたようなメニューが目立ちますね。参入後、いきなり月100件のオーダーが入った例もあり喜んでいただいております」

 

demaekan_nakamura.jpg.jpg中食人気の理由は、店内で食べるのと変わらない味
「中食志向の高まりの要因のひとつに、味や品質の向上があると思います。昔は、デリバリー=味が落ちるというイメージが否めませんでしたが、最近はどのお店も使う素材と調理にはかなりこだわっていて、街の飲食店で食べる味と何ら遜色ないレベルになっていると感じます。たとえば、薪窯で焼いたナポリピッツァで有名なレストラン「サルヴァトーレ・クオモ」さんはデリバリーもされていますが、クオリティは店内で食べるのと変わらず大変な人気。このように、デリバリー商品のレベルと同時に作り手の意識も向上してきていることが市場拡大につながっていると考えられます。結果、デリバリーといえば忙しいときに頼むという緊急避難的な使い方ではなく、最近ではハレの日の食卓を演出してくれるものとして利用されるようになってきました。下手に外食するよりデリバリーによる中食を選んだほうがいいという消費者が増えてもおかしくないわけですね」



シニア層、ファミリー層の注文率が上がっているdemaekan_top.jpg.jpg
「現在、全国で約360万の方に『出前館』をご利用いただいています。女性の社会進出や単に料理が面倒と感じる方がいるのか、なかには『家でお米は炊いておいて、おかずはデリバリーで』という内食の延長線上でデリバリーを利用する方も目立ちますね。また、シニア層の増加も顕著です。ファミリー層は、任天堂『wii』の画面上から『出前館』にアクセスし、コントローラ-でオーダーする使い方が圧倒的。自宅でお孫さんと一緒にwiiで遊んで、その延長で楽しみながら利用してくれているようです。ちなみに、2010年12月からiPhoneアプリケーション『出前館』がスタートしました。おそらく数年後には、若い層だけでなくシニア世代もいまの携帯電話に代わるスマートフォンを難なく使っているはずなので、より手軽にデリバリーのオーダーができる時代が来るのではないでしょうか」

 

東京では商品+職人によるサービスが人気
「東京でブレイクしているのは、人も一緒に付いてくるデリバリー。寿司を頼んだら職人さんが来て家で握ってくれるといった商品です。従来このようなサービスは数十万円かかる贅沢なものでしたが、最近では10人5万円くらいから利用できるお店も出てきました。自宅でパーティをするとき、お惣菜のお寿司をテーブルに並べるよりも職人さんが目の前に握ってくれるほうが盛り上がるとあって注目されています。ほかにも、窯を持参して生地から焼いてくれるピザ店、鍋を作ってくれるお店も話題。このようなクオリティの高いデリバリーの低価格化は2009年頃から始まり、東京では根付きつつあります。関西でも少しずつ増えてきています」

*1/(財)外食産業総合調査研究センター調べ(2005年) *2/矢野経済研究所調べ(2007年)

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